事業報告
 平成27年度
担当者等研修会 
「社会教育・生涯学習行政関係職員等断続研修@」
 
 期 日  平成27年6月19日(金)10:00〜16:00
 参加者   68名
 事業内容
 人口減少問題への対応や地域の活性化に向けて、国が地方創生の取組を進める中、地域において中核となり、市町村における社会教育・生涯学習を支えていくことのできる職員を対象に、有益な情報の発信、演習等、年間を通じて断続的に研修行うことで、まちづくり・人づくりに結びつく教育事業の立ち上げや関連事業の活性化を図る。
 内容の実際
【全体説明】「本研修の基本的な考え方」
説明:社会教育総合センター 社会教育主事 遠藤 芳徳
 本研修会は
(1) 国の最新の動向や支援策、優れた実践事例、社会教育・生涯学習行政を推進する上での実施上の課題と方策、市町村に期待される役割について理解を図る。【講義】
(2) 受講者が地域課題を持ち寄り、グループごとにテーマ(課題)を設定し、課題解決に向けた事業のシュミレーションを行い、発表する。【演習】

といった2つの方法を柱として、年間を通じた断続的な研修の実施を行いスキルアップを図ることを目的とする。
  また、担当社会教育主事の配置による伴走的支援で、事業への直接的な助言や支援等を行うことができるようにした。
 等、本研修会の年間を通じた概要について説明しました。
【講義】「地方創生と社会教育」
文部科学省生涯学習政策局 社会教育課長  谷合 俊一 氏 
 『これまでの社会教育行政における典型的な課題は、趣味・教養的なものを中心として行われる事業、講座、講演会等が実施されてきたことによる、参加者の固定化である。また、「学び」についても知識伝達型のものが多い傾向がある。本来、「学び」とは知識の習得のみにとどまらず、「気づき」「意識の変化・変容」「行動の変化・変容」をもたらすすべての手段を指すものであり、とくに社会教育における「学び」とは多様な学びに対応できるものであるべきである。
  これから地方分権と住民自治を進める中において、住民自らが地域の課題を共有し、解決に向けて取組を進める協働が大切である。そのなかでも社会教育の「学び」の視点、「学び」につなげる働きは大切なポイントである。
  学校・家庭・地域の連携に向けては、学校を核とした地域力強化プランが新規で6,684百万の事業予算がついた。これには学校を核として、人づくり・地域づくりの好循環を創出することが地域創生を実現するものとして期待している。
  教育委員会制度改革については「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」の成立(平成26年6月13日)では、すべての地方公共団体に「総合教育会議」を設置することになっている。各自治体でその動きがもうあっているのではないだろうか。ここでのポイントは首長が旧教育委員会議の中に入る形であるため、この中で社会教育・生涯学習の重要性をしっかりとアピールすることが大切である。今、社会教育・生涯学習の重要性が少しずつ取り上げられているのだが、首長まで浸透するに至っていない現状がある。しっかりと成果をアピールし、自治体の中で教育行政の大綱策定等に尽力し、その存在感を示してほしい。』と社会教育関係者への期待を示していただきました。
  午前中は、聴講者も含め68名の参加がありました。

【演  習】「各自の課題の共有とグループテーマ及び年間計画の作成」
 午後からの演習については、断続研修の参加者だけでの研修となります。4名×2グループ、5名×1グループの13名で演習を行いました。
  まず、各グループに担当社教主事を配置し、各自、自己紹介と業務上の様々な課題について報告を行いました。課題については、地域課題や事業推進上の課題、他にも自分自身の課題等、多岐にわたって報告がなされました。その後、課題の共通項についてグループ内で協議し、各グループごとにテーマを設定する中、次のようなテーマが立ち上がりました 「団体の自主性を育む仕組みづくりについて」 「みんなで創る生涯学習講座」 これらのテーマについてどのように迫るのか、次回の研修を受けてさらに協議していく予定です。 とても活発な意見交換がなされており、今後の研修が楽しみです。
 
 参加者の声
 【講義について】
○同じようなお話を数回聞いていますが、ようやく呑み込めてきた感じです。
○普段聞くことのできない文科省の動向等をダイレクトで聞けて良かった。
○めったに聞くことのできない文科省社会教育課長のお話を聞けて、失敗事例、好事例の具体例が聞けたのでわかりやすかった。
○社会教育行政の取組プロセス例が見直す材料になりました。参加者の固定化になってきているので、みんなは何をしたいのか?何を学ばないといけないの?を引き出していこうと思いました。
【演習について】
○他の市町村の方々とお話しできて、客観的に自分の現状をふりかえることもできました。大変有意義でした。
○他の自治体職員の課題やそれに向けての解決策を話し合うことができて刺激になった。
○各行政の方たちといろいろ意見交換ができ、これから1年間テーマに向けて話し合う機会があるので学び活かしていきたいと思います。
【研修会全体について】
○社教センター社会教育主事が複数担当され、各グループにも一人ずつはいられ、伴走的に進められた点がよかった。学習者主体のグループワークであった。
○自分のために、人のために学べる研修だったのでよかったです。
○この研修を通じて、自己の日頃の業務に活かせることを学んでいきたいと思いました。
○受講生少数で、内容の濃い研修だった。現地研修などもできれば、さらに勉強になると思う。
○すごくわかりやすく、ためになりました。