【研修1】(講義)「組織や地域人材の協働を活性化するファシリテーションとは」 |
講師 |
特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会 フェロー |
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認定特定非営利活動法人日本ボランティアコーディネーター協会 理事・運営委員 |
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国立大学法人九州大学大学院 統合新領域学府 客員准教授 加留部 貴行 氏 |
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研修1では、講師の加留部先生より、ファシリテーションの必要性や概論について御講義いただきました。
まず、これまでの時代背景や変化、「今」を生きる地域コミュニティや職場コミュニティの中で起こっていることの不安感から、対話を通じて「当事者」たちをつなげていくこと(共働)の必要性、そのための「ストーリーづくり」の重要性について、細やかに解説していただきました。そして、その「共働」の現場を育て、私たち自身も育つためにやるべきことは、@「相談相手」をお互いに持つこと、A「現場感覚」をお互いに持つこと、B「対話時間」をお互いに持つことであることを確認されました。「聴く」行為は、相手を「聴(ゆる)す」行為であり、「対話」=「聴く」×「話す」というかけ算になるということも説明されました。
次に、ファシリテーションとはどのようなものかについてお話しいただきました。“ファシリテーションとは「引き出す力」と一般的には言われているが、語源の「ファシル」は、「○○しやすくする」という意味。ファシリテーターはその機能を担う人ということになり、支援者・促進者という意味合いから「進行役」ということができる。ファシリテーションは幅広い分野で応用できるスキルであり、多様な主体の熱い思いを「聴き出す」ことと「書き出す」ことで、「引き出す」ことにつながる”ということを、参加者(行政関係者、NPO、学校関係者)に向けわかり易く様々な事例を盛り込みながらお話しいただきました。
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【研修2】(演習)「参加者を繋ぐファシリテーションの実践
〜多様なアクティビティを通じた学びの場づくりを考える〜」 |
講師 |
特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会 フェロー |
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認定特定非営利活動法人日本ボランティアコーディネーター協会 理事・運営委員 |
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国立大学法人九州大学大学院 統合新領域学府 客員准教授 加留部 貴行 氏 |
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午後からは、ゲームを通じて考えるチームのチカラとして、ワークショップとふり返りを入れたファシリテーションの実践的演習と「意図開き」(「意図開き」…ワークショップのプログラムデザインについて目的や意図について説明すること)、質疑の時間を取っていただきました。
まず、参加者全員でワーク@「貿易ゲーム」を体験しました。「貿易ゲーム」とは、4人一組のチームを一つの国に見立て、紙(資源)や道具(技術)を不平等に与えられ、複数のグループ(国家)の間で、できるだけ多くの富を築くことを競う、貿易のシュミレーション・ゲームです。不平等に与えられたもので○や△、□などの生産物を作り、世界銀行に売ってお金を儲けるというゲームの特徴上、参加者の皆さんは、必然的に必死になります。また、ゲームの途中で生産物のレートが変わるので、さらに拍車がかかります。 |
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貿易ゲーム:他国に道具を売ってくれるよう交渉 |
貿易ゲーム:世界銀行で生産物のチェックを受ける |
ゲーム終了後、売上の確認をして、ふり返りをしました。加留部先生から「ゲームを通じて感じたことで、あなたの現場でも起こりうることは何でしょうか」という問いが与えられました。目的、時間、生産物の出来栄え等の視点から、参加者の皆様からは様々な気付きが生まれました。また、ワールドカフェ方式で、他国に行って他国での気付きが生まれる方も多数いらっしゃいました。 |
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ふり返り:ワールドカフェ方式で、気付きのシェアリング |
次に、3人一組のワークとして「SHIENワークショップ」をしました。「あなたが現場で実際に悩んでいる課題は何ですか?」という問いが出されました。@相談者がテーマの内容を説明し、聴き手は質問をし、相談者がそれに答えます。ただし、聴き手は、ここでは「アドバイス」や「意見」は言えません。Aアドバイスタイムでは、相談者は自分の想いを話し、聴き手からアドバイスを伝え、お互いがさらによくなるための話を続けます。
最後に、使用した手法(アクティビティ)の紹介と意図開きをしていただきました。ワークショップのプログラムデザインは、そのワークを何のためにやるのか、それが何に生かされるのか、目的を見失わずに組み立てることの大切さ、目的に合わせて「管理」と「支援」のバランスを取ることの大切さ、バックキャスティングの大切さなど、ファシリテーションを行っていく際の極意ともいうべきものが満載の内容でした。 |
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