事業報告

 平成30年度  社会教育専門研修

社会教育・生涯学習関係者リーダーのための専門講座

 
 期 日  平成30年7月17日(火) 12:50〜16:10
 参加者   27名
 趣旨
 地方創生の礎となる全員参加型社会の構築が求められる中、県下の社会教育・生涯学習の一層の振興を図るため、市町村で事業遂行の中心的役割を担う職員を対象に、その資質・能力の向上に資する研修を実施する。
 内容の実際

【研修1】(講義)「国の動向と福岡県の社会教育の現状と取組」

 講師 福岡県教育庁教育振興部社会教育課 主幹社会教育主事 大谷 俊浩 氏


 研修1では、福岡県教育庁教育振興部社会教育課 大谷 俊浩 主幹社会教育主事から「国の動向と福岡県の社会教育の現状と取組」という演題で御講義いただきました。
 まず、生涯学習社会の実現に向けた国の動きとして、中央教育審議会「新しい時代の教育や地方創生に向けた学校と地域の連携・協働の在り方について」(平27.12)の答申から、第2期計画「自立・協働・創造」の理念を継承した「第3期教育振興基本計画」(平30.6)に至るまで、国の動向の大きな流れを解説していただきました。
 続いて、当社会教育総合センターが実施している「社会教育振興に関する調査研究報告書」をもとに、社会教育・生涯学習推進上の課題について、家庭教育や体験活動など、多角的視点から明らかにしていただきました。さらに社会教育に関する計画に関して、福岡県教育施策実施計画にある、7つの柱、13の項目、28の施策を説明していただきました。
 最後に、福岡県の主要施策と主な取組事例についての紹介がありました。県内各地で取組が進んでいる「地域学校協働活動事業」や「家庭教育支援チーム設置事業」、「子どもの読書活動推進事業」、「通学合宿推進事業」など生活課題や地域課題を取込んだ活動を展開している事例についての情報提供をしていただきました。

【研修2】(講義)
     「社会教育・生涯学習の組織運営について」

講師 須恵町外ニケ町清掃施設組合 業務課長  岡部 禎 氏
(前篠栗町教育委員会社会教育課長)


  研修2では、「社会教育・生涯学習の組織運営について」というテーマで、須恵町外ニケ町清掃施設組合業務課長で、前篠栗町教育委員会社会教育課長の 岡部 禎 氏に御講義いただきました。
 はじめに、岡部氏から、これまで業務に取組んでこられた篠栗町の紹介がありました。8年間にわたる社会教育行政での経験を、社会教育の現状と課題を交えながら話していただきました。社会教育主事資格者の数が年々減少している中で、毎年一人は主事講習へ職員を送り出してこられたことや、他部署や社会教育委員、地域の関係団体などとの連携を通して、人員体制・予算確保・社会教育団体の活性化の課題を克服していこうと尽力された岡部氏の熱意が伝わる講義となりました。また、行政の関わりとして、「財政的支援」と「人的支援」の両面からアプローチしていく視点についても説明していただきました。取組の成果と課題から見えてきたキーワードとして、『できる人ができる時にできる範囲で』や『一人の百歩より 百人の一歩』といった言葉に、受講者の大きくうなずく姿が見られました。
 最後に、「ボス」と「リーダー」のちがいを、理想のリーダー像の視点から話していただきました。社会教育を推進していくにあたり、「地域に生かされていることの意味と役割をさらに考え、地域社会の展望に立った未来志向を大切にする」というまとめの言葉が印象的でした。

【研修3】(協議)
     「社会教育・生涯学習推進上の課題をどう解決していくか」

進行 福岡県立社会教育総合センター 研修・情報室 社会教育主事

 研修3の協議は、本日の講義で学んだことや、日々の業務を推進していく中でリーダーとして感じている悩みや疑問などを自由に話合う場づくりを目的としました。
 はじめに、参加者同士で名刺交換をしていただき、その後、協議のルールについて全体で確認しました。そして、当センターが実施している「社会教育振興に関する調査研究報告書」の結果をもとに、社会教育・生涯学習推進上の課題を明確にするためお互いの考えを出し合いました。さらに、課題解決に向けた取組のアイデアを、短期的・中期的・長期的行動目標に分けながら説明し考えを深めました。最後に、話合ったことについてグループから発表してもらい、参加者全体で学びを共有しました。
 参加者の皆さんは、それぞれの所属で抱える課題や悩みを出し合いながら、自身が取組んできた事業や今後の方向性について、積極的に情報交換をされていました。

 
 参加者の声
 【研修1】(講義)「国の動向と福岡県の社会教育の現状と取組」
法律や国・県の動き、県の取組などが分かりやすかったです。
学校と地域が同じ目標、方向性を持つことが、何より大切だということがよくわかりました。
家庭教育支援チーム設置事業で講師の方を派遣してくださることを聞き、是非今後の私たちの事業にお願いしたいと思いました。
法、国の動き、経過、簡潔にまとめられており分かりやすかったです。データが具体的で大変参考になりました。
福岡県の社会教育の現状について、とてもわかりやすく解説していただきありがとうございました。事業を実践する者として、計画・達成目標を立て、企画運営していこうと思いました。
   
 【研修2】(講義)「社会教育・生涯学習の組織運営について」
学校教育と一緒になって、社会教育を子どものために、地域住民のためにおこなっていることが分かりました。
学校と地域の連携の為には、相互の協力関係の太さが大切だと感じました。どのようにしていけば、太い関係が築いていけるのか勉強していきたいと思いました。
社会教育委員の役割、活動内容が今まで考えたことのないものでした。
地域が学校に入り、様々な支援をしていることが良くわかりました。また、社会教育委員の方々がコーディネーターの役割を担っていることに驚きました。
ボスではなくリーダーとして働くということの大切さを感じました。
   
 【研修3】(協議)「社会教育・生涯学習推進上の課題をどう解決していくか」
それぞれの課題や考え方を聞き、大変参考になりました。とてもいいグループでした。社会教育室からの話や地域教育課としての話など勉強になることが多かったです。
あっという間の時間でした。アイデアがいろいろと出てきたので意義あるものとなりました。とても充実した協議になりました。
行政の方が予算の流れなどをよく知っているので、とても参考になりました。
様々な課題や意見を交流し、長期的な課題解決の方法や手法を学ぶことができました。
   
 【会全体を通じて】
固定化した事業等を今後どのように考えていかなければならないのかと思っていたので、今回の研修は有意義でした。
県や他自治体の皆さんとの横の交流ができました。
まだまだ勉強不足で、これから身につけていきたいことが多いと思いました。
グループワークなど楽しく学ぶことができました。みなさんの取組や工夫がわかって参考になりました。こういう交流の機会をまた作ってほしいです。