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社教センターこの一年〜一を念じ百を動く〜


 平成21年も師走の終わりに近づいてきました。恒例の「この1年を振り返って」みたいと思います。ただ、私は今年の4月に赴任して参りましたので、それ以降の感想をまとめます。
 4月1日、16名の職員が新たに社教センターに赴任してきました。全体で37名ですから、4割以上の職員異動となりました。今までの仕事を滞らせず、さらに発展させるべく一同意を決して21年度のスタートを切りました。また早速、インターネットを通じ、刻々と県内の社会教育の動きを皆様に伝えるべくホームページ「ふくおか社会教育ネットワーク」のリニューアルと更新作業に取りかかりました。
 4月26日には、20年以上にわたり当センターの運営を支えてきていただいた学習ボランティア「若杉の会」総会が開催されました。(同会の活動については、当センターホームページにコーナーを設けていますので、是非ご覧ください。)改めて申すまでもないことですが、以下に紹介する当センターの事業は、このようなボランティアの方々の協力なしには決して実施できるものではないことを付け加えておきます。 
 5月16〜17日には、当センター創立当所から続けてきた「第28回中国・四国・九州地区生涯学習実践研究交流会」が華々しく開催されました。
28本の実践報告と2本の特別報告、434名の参加者の熱気がほとばしる (前夜祭を含めた)3日間でした。今までに、どれほど多くの関係者がこの交流会に触発されて各地での新たな実践を繰り広げていったのかと思うと、改めて28年の重さを感じずにはおれません。現在実行委員会では、30年記念誌の作成に向けて鋭意議論を重ねています。
 また、5月28日には、韓国釜山地域平生教育情報センター職員4名が来所され、2004年に両センターで協定を結び、以来続けてきた研究交流が一層深まりました。当センターからは8月19日に、2名の職員が釜山に赴き実践報告を行っています。
 5月末から6月に入ると、多くの主催事業がスタートを切りました。中でも、6月6日から始めた職業的自立をめざす知的障害のある生徒を対象にした「きらめき未来塾inささぐり」は、4回シリーズ延べ13日間に及ぶ大掛かりな事業です。事業の中心となる8月18日から5泊6日間の職場体験キャンプは、残念ながら新型インフルエンザの流行で4日間に短縮されましたが、去る12月13日には参加者、支援者、ボランティアが一体となった感動的なフィナーレを迎えることができました。
 新型インフルエンザといえば、その猛威は当センターの運営に大きな影響を及ぼし、毎年11万人前後の県民の皆様の御利用も、キャンセル等があいつぎ、どうやら本年度は大幅減になる見込みです。
 6月24日には、当センターに事務局を置く福岡県視聴覚教育協会の総会が開催され、前原市教育委員会教育長中原一憲氏を新会長に選出して21年度の事業が始まりました。
 7月14日からは、家庭教育の支援者や関係行政職員等を対象に「家庭教育支援者等セミナー」の3回シリーズが56名の参加者でスタートしました。当センターでは、家庭教育支援事業として、この他に家庭教育相談「親・おや電話」やメール相談、ホームページ「子育てパーク」の運営など年間を通じ事業が行われ、家庭教育の振興は当センター施策の主要な部分を占めています。
 7月で忘れられないのは、月末の記録的な豪雨による大災害です。当センターも施設の被害が大きく、臨時休所を余儀なくされ県民の皆様に大変御迷惑をおかけいたしました。当センターのある篠栗町では、2人の尊い命が奪われました。改めて哀悼の意を表します。
 8月3日には、社会教育関係職員等研修の3回目(4回シリーズ)が開催されました。職員研修としては、久方ぶりに「地域づくり、コミュニティーの再生」にスポットを当て北九州市、福津市、宇美町の職員に登壇いただき活発な討議が実現しました。その中で改めて感じたことは、自治体社会教育行政の組織や運営状況が時代とともに、大きく変容していることです。 このとについては、「市町村における生涯学習・社会教育行政を所管する組織等に関する調査」結果をホームページにアップロードしていますので、ご覧になっていただければと思います。
 いずれにしましても、4回シリーズで開催した「社会教育関係職員等研修」には、毎回60〜70名を超える多数の市町村の方々に参加していただき、改めて期待の大きさが伺われます。当センターの基軸となる事業に位置づけ、来年は一層効果的な研修を企画いたす所存です。
 8月1〜2日に開催された「ワクドキおやじ塾」は、父子一緒で様々な体験活動にチャレンジするもので、10月と合わせて2回開催されました。このキャンプは父親の子育てへの参画を楽しみながら促す数少ない事業であり、今回も大変好評のうちに終了することができました。
 9月12〜13日には、5歳児と小学5年生を組み合わせて体験活動プログラムを実施する「レッツ・ゴー!5&5」の3回目(6回シリーズ)が開催されました。この事業は、集団生活でのマナーや社会性を異年齢の子どもたちの関わりを通じて形成させようとする意欲的なものです。地元の教育委員会や保育園、幼稚園、小学校の関係者等の御意見を伺いながら毎回40〜50名の参加で実施しました。
 社会教育の事業では、主催する者も学習者と共に学びを進めていく姿勢が要求されます。とりわけ子どもたちに提供するプログラムは、子どもたち自身の姿がどのように変容していったのかが客観的に把握できる、あるいは変容そのものを促しうるものであったのかが問われます。さらに、効果的なプログラムを吟味していかなければと考えています。
 社教センターの秋を特徴づける催し「子育てネットワークinふくおか2009」が10月17〜18日に、400名近くの人々が集い開催されました。この事業も5回目をむかえ、4月から始まった実行委員会、12月の反省会と多くの人々の知恵が毎年積み重ねられています。県内の市町村でも同様な事業が始まっています。さらに、波及していくことを願ってやみません。
 11月21〜22日には、当センターを大々的に県民の皆様に開放していく「ゆずフェスティバル」が、29の体験活動プログラムや多くの出店を整備して開催されました。雨の中にもかかわらず、延べ3,000人にも上る参加を見、盛況のうちに終了することができました。来年もさらに楽しい催しにしていきたいと考えています。
 師走に入った12月4日には、ボランティアの皆さんと一緒に門松作りに励みました。毎年恒例となった行事で、ともに汗を流しながら、本年の歩みを振り返るよい機会でもあります。
 来年もまた県社会教育行政の一翼を担う当センターは、生涯学習社会の実現という一大目標に向かって、あらゆる手段と方法を駆使し、できうる限り多くの機関・施設・団体と連携を深めながら、果敢にアプローチを繰り返していきたいと考えています。まさに、「一を念じ百を動く」行動的な施設でありたいと願っています。したがって皆様には、心からの感謝を申し上げるとともに、本年にも増した率直な叱咤激励をよろしくお願いいたす所存でございます。  
平成21年12月 副所長 黒田 修三