事業の報告 (平成24年度)
第2回「和き・合い・愛」
 初春を迎えた1月19(土)〜20日(日)に平成24年度視覚に障がいのある子どもたちの体験活動支援事業である第2回「和き・合い・愛」を、夜須高原青少年自然の家で開催しました。
 
 今回、福岡県の中央に位置している夜須高原青少年自然の家の立地の良さを活かし、公共交通機関を使って参加する体験を企画しました。公共交通機関を使った参加者は、保護者の方といっしょに集合場所となる最寄りの駅まで電車で行き、スタッフに出迎えられました。そこからバスで夜須高原青少年自然の家へ向かい、参加者一人ひとりがサポートするボランティアスタッフと出会いました。緊張していた参加者も出会いのつどいが終わる頃には、ボランティアスタッフと打ち解け合い、笑顔があふれていました。

 夜須高原での1日目は、二つの自然体験を夜須高原の澄んだ空気や冷たい風を肌で感じながら、「スノーシュー体験」と「雪ぞり体験」を行いました。
 「スノーシュー体験」では、まず、青少年自然の家の施設内にある星の広場へ歩いて行きました。すると、一羽の野鳥の声が響き、その野鳥は、まるで、私達を道案内するかのように振り向きながら、跳ねるように山道を昇っていきました。星の広場までの山道は、雪が残り滑りやすくなっていて、その上を滑って楽しんだり、大きな雪玉をつくって斜面を転がしたりして楽しみました。星の広場に着くとスノーシューの履き方とスティックの使い方を習い、雪の上をゆっくりと歩き始めました。雪の柔らかさと「キューッ」と踏みしめた音を感じながら歩き回りました。スノーシューに慣れてきた参加者の中には、走り回ったり、斜面を登ったりしながら雪をかむスノーシューの安定感を感じていました。

 「雪ぞり体験」では、雉(きじ)の鳴き声に出迎えられる中、草スキー場で、ヘルメット、手袋、膝当てを着け、雪の上を滑りました。はじめは、雪ぞりの座り方もぎこちなく、低い位置から滑っても、参加者は緊張で顔はこわばっていました。しかし、何度も繰り返し滑って行くうちに、少しずつ高い位置から滑り、冷たい空気をきって滑る爽快感を味わえるようになりました。中には、公園の滑り台も滑れなかった参加者もいましたが、次第にその参加者も雪ぞりのスピードに慣れ、何度も滑って楽しんでいました。終わる頃はまだまだ、滑りたいと残念がっていましたが、青少年自然の家の宿舎に戻り、ボランティアスタッフにサポートを受けながら、食事と入浴を済ませました。参加者は、周りの様子をボランティアスタッフから聞き、自分でできることに進んで挑戦しました。

 入浴後には、「卓球バレー」を行いました。卓球バレーのピンポン球は中に鈴が入っており、転がると音がし、その転がる音を聴いてバレーボールのようにレシーブしたりパスしたり、打ち返したりします。参加者は大人顔負けのファインプレーを連発し、大きな歓声を上げながら楽しんでいました。
夜は参加した仲間とボランティアスタッフと一緒にゆっくり休みました。

 2日目は、夜須高原を下り永利牧場で牛とのふれあい体験を行いました。牧場の方々の好意で、たくさんの方にサポートを受けながら乳を搾ったり、産まれたばかりの赤ちゃん牛にミルクを飲ませたり、牛に餌を食べさせたりしました。  
 乳搾りでは、牧場の方々に手ほどきを受け上手に搾れるようになりました。直接触れることで、牛の体温の温かさと体の大きさを感じ驚きつつも嬉しそうにしていました。
赤ちゃん牛にミルクを飲ませたときには、哺乳器を両手でもち、ボランティアスタッフと一緒に行いました。しかし、ミルクをねだる赤ちゃん牛の吸いつきは激しく、赤ちゃん牛のたくましさに驚いていました。
 牛の餌(ペレット)やり体験では、参加者の掌に乗る大きさに固められた乾草のペレットを直接自分の手から食べさせました。乾草のペレットを乗せた掌をゆっくりと差し伸べると、喜び勇んだ牛の舌が伸びてきました。その舌に触れ、びっくりしていましたが、何度も何度も食べさせていました。
 ふれあい体験の最後に「牛乳餅」をみんなで作りました。牛乳、砂糖、片栗粉、白玉粉をかき混ぜながらゆっくり温めていくと、急に固まり始めます。冷たいときにかき混ぜた感じと固まり始めたときの手ごたえの変化に声を上げて驚いていました。好みの固さまで温めたら、絞り出し袋を使って一口サイズに分けました。そして、マシュマロより柔らかく出来上がった牛乳餅に、きな粉をまぶしていただきました。牛乳餅は大変おいしく、いくつもお替わりしている参加者もいました。  
永利牧場で別れのつどいを行い、楽しかったキャンプも終わりをむかえました。牧場でお別れする家族もいましたが、最寄りの駅まで参加者を送り届け、無事に家族のもとに帰り着きました。
 

 第2回の「和き・合い・愛」は子どもたちの自立、動物とのふれあいをメインに行ってきました。この体験をぜひ日常の生活に活かしてもらいたいと思います。これからも「玄海の家」では様々な体験を用意していきたいと考えています。参加してくれた子どもたち、保護者の方々、ご協力頂いた夜須高原青少年自然の家の職員の方々、永利牧場の方々本当にありがとうございました。また、夏に「玄海の家」で会える日を楽しみにしています。
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