(平成22年度)
1.英彦山新緑トレッキング 2.英彦山紅葉トレッキング 3.英彦山歴史・文化探訪 4.ひこさんチャレンジキャンプ
5.ひこさん環境調査隊 6.集まれちびっ子「ひこさんわくわく小天狗塾」 7.ひこさんわくわくキャンプ
8.ぶらり英彦山フォト教室 9.英彦山キャンプ塾 10.チャレンジ!冬山登山! 11.青年リーダー・ボランティア研修
12.高校生ボランティア研修 13.ひこさん里山ファミリー体験 14.長期自然体験活動モデルプログラム普及・啓発事業(調査研究) 15.ひこさん紅葉まつり

  3.英彦山歴史・文化探訪平成22年10月17日(日)〜樹齢1200年の鬼杉を治療した樹木医秘話と守静坊枝垂れ桜巡り〜
参加者 43名
事業内容

  古来、英彦山は多くの修験者によって自然が守られてきた霊山です。周辺には、現在でも貴重で珍しい自然植物が点在しています。国の天然記念物である鬼杉や菩提樹などがそれであり、これらを目当てに観光客が多く訪れます。しかしながら、今でこそ英彦山は、観光地として環境整備されていますが、これら自然を守ろうとする人間の知恵や努力が降り注がれていることは意外と知られていません。
  そこで、英彦山にある樹齢1200年の鬼杉など古木の調査・治療を手がけてきた樹木医の話を聴くことによって、参加者に新たな英彦山の魅力を提案するきっかけになればと考えました。そしてまた、生涯学習の一環として、森林の再生・保全をとおして、参加者に「自然」や「生命」を守ることの重要性を考える契機になればと考えました。
  午前中は、講演『英彦山の古木を守る樹木医からのメッセージ』と題して、日本樹木医会福岡県支部長であり、(社)林業薬剤協会技術顧問の小河誠司氏をお招きして、講演会を行いました。講師がこれまで手がけてきた樹木診断の話や身近な庭木の剪定方法などを、参加者のみなさんで興味深く聴講しました。
  午後からは、講演を受けてのフィールドワークです。参加者は、樹齢200年の守静坊枝垂れ桜を目指しました。この枝垂れ桜は、江戸時代に山伏が京都より持ち帰ったと伝わる名木ですが、長年の風雪により枯れ木同然になっていたところを、樹木医の診断・治療の結果、見事樹勢を取り戻しました。参加者は、道中、「大権現グループ」と「大天狗グループ」に分かれ、地元添田町観光ガイドボランティアによる随行案内で、英彦山の歴史を物語るタブノキ、榎、橋本坊のキンモクセイ、下宮の杉、銅の鳥居の大イチョウ、県指定天然記念物の菩提樹などの古木も散策し、守静坊の枝垂れ桜と共に鑑賞して回りました。

参加者の声
(講演は)とても面白かったです。また聞きたいです。
(樹木医の仕事は)大変興味ある活動です。
(樹木医の講演について)こういう機会がなかなかないので大変よかったです。森・木を見る目が変わりました。
(樹木について)まだよく解っていないことが多いと感じました。樹木への興味があるため、歴史的なことへの理解も含めて、深めていきたいです。
今回は今までにない知識を教えていただき、大変勉強になりました。何気なく通り過ぎていた木々の様子も、今回は気にとめて見ました。大変お世話になり、一日楽しく過ごさせていただき、感謝しています。
小河先生のお話は、楽しく、なるほどと思わせてくれました。
樹木医のお話を聞いて、家庭においても樹木に対する新たな見方ができました。参考になる話が多く、たくさん聞けてよかったです。
近所の樹木を大切にしていきたいと思います。
(講演まで)「樹木医」という言葉を知りませんでした。
ボランティアの方がよく勉強されていて、とても理解が深まりました。また参加したいので、よろしくお願いします。
(英彦山は)知らないことばかりです。宝の山を楽しませていただきました。
英彦山の歴史について、もっと知りたくなりました。
(英彦山へは)何度も来ていますが、知らない所、知らないものがこんなに多いことに改めて気がつきました。
今までは、身近にある英彦山について「登山」「紅葉」「しゃくなげ鑑賞」など観光的な目線でしたが、今回の講座に参加して、英彦山を少し一歩踏み込んで教えていただき、さらにまた参加したいと思いました。
私達に各部所において、詳しく説明して下さるのは大変な勉強と努力が必要であったことでしょう。今日一日随分と偉くなったような気がします。
個人で(英彦山に)来ては、気付かないところがたくさんあるのに驚きました。また、ゆっくり歩いてみたいと思いました。
樹木一本一本についても、歴史があることに改めて思い知らされました。
通ったことのない道を散策でき、本当に来てよかったです。
英彦山の歴史も文化も詳しく説明していただき、有意義な一日でした。友達も連れてきたいと思います。
春に(守静坊の)桜を見に来たいと思います。
英彦山へは何度か訪れたことがありますが、今回のように巨木・古木の探訪は初めてでした。改めて英彦山を見直すいい機会になりました。今後もこのような企画にまた参加したいと思いました。《多数意見》
大いにリフレッシュできました。天気・季候もよく、気持ちよかったです。日常を離れて、自然の中に溶け込めました。《多数意見》
添田町観光ガイドボランティアのホラ貝の音を聞くことができ、またお話もとてもよかったです。
10年ぶり位の(英彦山)探訪で、「自然っていいな」と感じました。
(いつも)英彦山には登っていますが、散策は初めてでした。とても勉強になりました。
初めて参加しましたが、また来たいと思いました。
スタッフの皆様の準備や進行に感謝します。
全体をとおして
  本事業は、地元添田町観光ガイドボランティアとの協同による開催として、2年目にあたります。英彦山は「登山」「紅葉名所」「修験道」が有名ですが、新たな英彦山の魅力を参加者に再発見していただこうと考え、昨年度は『文学碑巡り』を行い、本年度は『古木・巨木巡り』へと繋がりました。
  樹木医の小河誠司氏のお話は、笑いも交えながら、参加者に解りやすく大変好評でした。また、氏自身の生い立ちにも触れ、樹木のことを職業に考えるきっかけとなったエピソードもお話ししていただきました。こうした氏自身のお人柄が、参加者にも大変親しみやすさを感じさせたようです。参加者の高い学習意欲も相まって、有意義な講演内容となりました。
午後からの散策は、好天に恵まれ、参加者全員で秋の英彦山をのんびりと散策し、心身のリフレッシュ・健康増進を提供する機会になりました。これは、本事業の目的の一つでもありましたが、「参加者の声」にもあるように、多くの方々が同じ感想を述べていただきました。また、普段の観光ではなかなか訪れることのない場所を、古木・巨木中心に探訪して回る散策ルートとして設定した結果、参加者には新たな英彦山の魅力を発見することができたようです。添田町観光ガイドボランティアのホラ貝実演や熱心な随行説明に対しても、とても興味深く参加者は聞き入っていました。
今後は、参加者のみなさんからいただいた「アンケート評価票」を元に、更に充実した主催事業になるよう、そして「英彦山の歴史・文化」を多くの県民に発信できるよう、地元添田町観光ガイドボランティアと手を携えて頑張って参りたいと思います。

活動写真

 出会いのつどいの様子              小河誠司氏による講演             映像による樹木治療の説明
   講演の様子                   講演中の参加者のみなさん          熱心に資料に見入る参加者
   「タブノキ」を前にして              「タブノキ」を見上げる              オオムラサキ食樹の「榎」
    散策途中の様子               散策途中の「榎」を前にして          橋本坊の「キンモクセイ」
   橋本坊の庭園内                  県指定天然記念物「菩提樹」       道中で観光ガイドの話を聞く
   道中で古木を見上げる参加者         守静坊へと続く道中にて           守静坊「枝垂れ桜」を見上げる@
    守静坊「枝垂れ桜」を見上げるA      守静坊の階段からの「枝垂れ桜」     「枝垂れ桜」を後にして 
   守静坊前の石階段を歩く           銅の鳥居まえにて               休憩中の参加者
   休憩中にホラ貝の音を聴く          「大イチョウ」を見上げる            下宮の「杉」を見上げる
   休憩場所の財蔵坊に到着           財蔵坊にて休憩中の参加者       財蔵坊の中で説明を聞く
   英彦山神宮表参道を歩く           グループごとに別れのつどい        大権現グループの集合写真 

大天狗グループの集合写真(クリックしたら大きくなります☆)