(平成22年度)
1.英彦山新緑トレッキング 2.英彦山紅葉トレッキング 3.英彦山歴史・文化探訪 4.ひこさんチャレンジキャンプ
5.ひこさん環境調査隊 6.集まれちびっ子「ひこさんわくわく小天狗塾」 7.ひこさんわくわくキャンプ
8.ぶらり英彦山フォト教室 9.英彦山キャンプ塾 10.チャレンジ!冬山登山! 11.青年リーダー・ボランティア研修
12.高校生ボランティア研修 13.ひこさん里山ファミリー体験 14.長期自然体験活動モデルプログラム普及・啓発事業(調査研究) 15.ひこさん紅葉まつり

  14.「長期自然体験活動モデルプログラム普及・啓発事業」  平成22年8月23日(月)
参加者 31名
事業内容
●趣旨 平成23年度から実施される「小学校における長期の自然体験活動(1週間程度)」に向けて、効果的な体験活動のあり方、実施方法、英彦山青年の家で活動できる教科と関連した活動及びプログラム等について、県下全小学校への普及・啓発を推進します。
  
●内容
研修1 「学習指導要領における長期の自然体験活動について」
 研修1では、教育庁教育振興部義務教育課 指導主事 山邉 孝之 氏に、学習指導要領における自然体験活動と各教科等との関係、小学生集団宿泊体験事業の成果と課題等を提示し、実施の方法・留意点等について説明していただきました。この事業には、三つの特色があります。第1に異学年合同、第2に4つの体験メニュー(地域ふれあい体験、集団遊び体験、キャリア体験、学習体験)、第3に学校支援の体制づくりです。今年で3年目を迎え、大きな成果を挙げ、年度末には「ふくおかモデル」という冊子を作成し、全県下の小学校に配布する予定等のお話をいただきました。
研修2 「体験活動を生かしたカリキュラムづくりと児童に与える効果について」
 研修2では、福岡教育大学 准教授 鈴木 邦治 氏に、体験活動が児童及び学校全体に与える効果や体験活動を生かしたカリキュラムづくりのポイント等について講演をしていただきました。鈴木先生は、宗像市の長期宿泊体験活動や国立夜須高原青少年自然の家長期自然体験活動モデル事業開発委員など、特に子どもたちの体験活動に多く携わっておられます。今回の講演でも、学力と体験活動との関係性や多くの実践事例をもとに、長期の集団宿泊体験活動実施上の重要点や留意点など、熱く語っていただきました。
研修3 「教科と関連させた活動の実際」
 研修3では、英彦山青年の家の職員と、GTの添田町観光ガイドボランティアの松養栄貞さんと一緒に、小学生集団宿泊体験事業で利用されていた、田川市立田川小学校5年生の皆さんと英彦山の文学碑と国語科を関連させた学習「詩を味わおう〜キャンプで感じたことを、自由律俳句で表そう〜」に取り組みました。初めにキャンプで感じたことを出し合い、学習のめあてを確認しました。次に、松養さんから、種田山頭火の「すべって ころんで 山がひっそり」句碑について説明をしていただき、自由律俳句の作り方を教えてもらいました。創作活動では、初めは戸惑っていた子どもたちも、だんだんとそのおもしろさにふれ、林の中に入っていき、気づいたことや感じたことを俳句にすることができていました。最後に何句か詠んでもらい、松養さんから講評をしていただきました。
先生方にとっては、この豊かな自然の中で教科と関連した活動ができるという、新たな発見になったようでした。
研修4  「英彦山青年の家における教科と関連した活動等について」
 研修4では、英彦山青年の家職員による、効果的なプログラムの立て方や青年の家及び周辺でできる教科と関連した活動等を提示し、実施上のポイント説明をしました。青年の家では、今年「『生きる力』をはぐくむ 体験活動の展開〜長期の自然体験活動への挑戦〜」という冊子を作成しました。その冊子に沿って、青年の家でできる教科と関連した活動案や目標別のモデルプログラム、またこの長期の集団宿泊体験活動導入の背景や体験活動と学力・生きる力との関係などを説明しました。 
参加者の声
体験活動の効果が大変よくわかりました。また体験だけでなく、事前の日常的な取り組み、目的意識、ふりかえりの重要性など参考になりました。
今回、来年度から長期の体験活動を実践していくことになっていることを初めて知り、勉強になりました。
現在1泊2日の日程でもかなり無理をしている感があり、それ以上となるともっとエネルギーを必要とすると思いますので、少し難しいと思います。が、大切で有効であるということも学びました。今後、学校でも検討してみたいと思います。
23年度からの実施に向け、学校全体で計画を進めていくうえで大変参考になりました。準備や計画が大変であるけれど、いろんなヒントを提示していただき、参考にしながら本校独自の計画を立てたいと思います。
「もっといろんな方に知ってもらうべきだったなー」と思いました。授業を詰め込むのではなく、体で感じるべきだということを知る必要があります。とても斬新でした。

集団宿泊活動の実施に向けては、校長のリーダーシップと職員の共通理解が重要だと感じます。その点で難しさもありますが、今日の研修で進めていく際の具体的な裏付けができました。

今日の研修は大変良かったと思います。特に鈴木先生の講演は、子どもたちの実態がとても よくわかりました。

「ようやく」といった感じでした。今回の研修で、学校現場で一番問題にされている、時数の件で話された内容がとても良かったです。予算面で具体的に提示された内容がある研修があると良かったです。

今年度5年生担任ということで、キャンプを秋に控え参考にさせていただきます。5年生に限らず、学校という場を離れ、他学年との交流や自治的な活動が子どもたちにとってとても大切だと思いました。〜中略^指導者が綿密に準備、計画、実践していくことが不可欠だと思いました。

授業があっている時期に何日も教科授業から離れて宿泊体験というのは、学習進度の面からも心配です。時数のカウントは調整できますが、進度はどうにかなるものではありません。やはり夏季休業中になるのかなと思います。また職員の疲労回復等の問題もまだ考えなければならないと思います。

全体をとおして

 今回の研修は、趣旨にもある通り、平成23年度から実施される「長期の集団宿泊体験活動」の普及・啓発でした。この活動に対しては賛否両論があり、「体験活動の有効性は認めるものの、授業時数や支援体制を考えると難しい面がある」という意見を多く聞きます。しかし今回の研修を通して、前述の参加者の声にも掲載している通り、前向きな感想が多くみられました。「啓発」という点において、成果があったと考えます。今後は「普及」という大きな課題解決に向けて、啓発及びプログラム内容、構成など、青年の家としての更なる学校支援の在り方を考えていく必要があります。

全体の様子 山頭火について話をしている様子 自由律俳句をつくっている様子