事業の報告 平成26年度
  6.チャレンジ!冬山登山!

ねらい
   銀世界の英彦山での散策や登山をとおして、冬山での安全な登山の仕方について学ぶとともに心身のリフレッシュや運動習慣の定着を図る。
期 日  平成27年1月24日(土)~25日(日)

       
参加者 16名

講師
  日本体育協会公認山岳マスター上級コーチ 
元高校体育連盟登山部顧問
元高校体育連盟登山部顧問         
園川 陽造 氏
大野 和幸 氏
田中 穂積 氏
プログラム
       
          第1日目【1月24日(土)】
 時  間 活 動 内 容 
14:00~14:20 出会いのつどい(花駅体育館)
14:20~15:20 講話「登山道具の正しい使い方」(花駅体育館)
15:20~15:30 スロープカー移動(花駅→奉幣殿)
15:30~16:30 実習「冬山散策」(奉幣殿~英彦山青年の家)
16:30~17:00 入所オリエンテーション
17:00~18:15 入浴・休息
 18:15~19:15 講話「冬山の魅力と危険」
19:15~21:30 夕食・情報交換会
 21:30~ 就寝準備・就寝

              第2日目【1月25日(日)
 時  間 活 動 内 容 
6:30~7:00 起床・荷物整理
7:00~8:00 朝食・健康観察
8:00~8:30 実習「アイゼン着脱・歩行訓練」
8:30~14:00 実習「チャレンジ!冬山登山!」(青年の家→北西尾根→中岳→奉幣殿→花駅)
14:00~14:30 別れのつどい


             
具体的な活動
 
講話【登山道具の正しい使い方】
 園川陽造氏による、登山道具の正しい使い方についての講話を行いました。参加者は、アイゼンの種類や滑落時のピッケルの使い方などを熱心に学んでいました。
アイゼンについて説明する園川氏 ストックとピッケルの違いと使い方   
について説明する園川氏
参加者の声
  ・ 登山道具についてのお話が、大変勉強になりました。今までストックの使い方を間違えていたことに気が付きました。今後は、ストックの長さに気を配りながら、登山をしたいと思います。
・ 道具を使って見せていただいたので大変わかりやすいお話でした。
・ 雪や氷の状態に合わせた道具の選び方や使い方について知ることができました。

実習【冬山散策】(奉幣殿~英彦山青年の家) 
 講話の後は、二つのグループに別れ、翌日の登山本番に備えて、英彦山青年の家までの歩行訓練を行いました。あいにく、雪は積もっていませんでしたが、参加者は澄んだ空気の中、山道を歩いて、翌日の登山に備えました。途中、たくさんのシカの出迎えを受け、参加者からは驚きの声が上がっていました。
奉幣殿での様子   歩行訓練をする参加者
参加者の声
  ・ 山道で気を付けることなどをお聞きしながら、楽しく歩くことができました。
・ 天気と空気のよい中、気持ちよく歩くことができました。

講話【冬山の魅力と危険】
 夜には、冬山の魅力と危険についての講話を行いました。低体温症の仕組みや初期症状、防寒対策など、寒さや装備の不十分さから起こる危険について学びました。
 また、登山者は、事故発生に備え、登山計画書を地元の警察署などに提出する必要があることについてもお話がありました。
低体温症について説明する園川氏    講話を聴く参加者
参加者の声
  ・ 冬山への厳しい考え方を聞くことができ、気持ちを新たにすることができました。
  ・ 講話の時間が例年より長く、興味深いお話をたくさん拝聴できました。
  ・ 寒さ対策によいと思ってやっていたことが、実は逆効果であるということに驚きました。

実習【アイゼン着脱・歩行訓練】
 二日目は、冬山の未経験者やアイゼンの使用に慣れていない参加者を対象に、アイゼンの着脱の仕方や歩行訓練を行いました。
登山の準備をする参加者  アイゼンの着脱練習をする参加者
参加者の声
  ・ 登山前に練習をしていたので、山中でも慌てることなくアイゼンを着けることができました。
  ・ 手袋をしたまま初めてアイゼンを着けることができました。雪の山中で手袋を外す危険性についても知ることができました。

実習【チャレンジ!冬山登山!】
 登山当日の天気は晴れ。参加者は、入念なストレッチを行い、グループごとに冬山登山に出発しました。
出発前の参加者  分岐点で休息をする参加者

  出発して約一時間。標高1000メートル付近には、青年の家周辺にはなかった雪が積もっていました。最大の難所が近くなると、雪が深くなり、アイゼンを装着することになりました。
雪の中を歩く参加者 アイゼンを装着する参加者

 アイゼンを着けた参加者は、安全に気を着けながら岩場を登っていきました。凍った場所や動きやすくなった岩などを見つけたときには、参加者同士が声を掛け合い、危険を知らせる姿が見られました。
アイゼンを使って岩場を登る参加者  岩場を登り切った参加者

 山頂には多くの雪が残っていました。休憩小屋の温度計は2℃前後を示していましたが、この時期の山頂の気温としては比較的暖かく感じられ、景色を楽しみながら山小屋の外で昼食をとる参加者も多くいました。
山小屋の外で昼食を食べる参加者  山頂での様子

 凍った石段は滑りやすく、参加者は慎重に下山しました。講師の方々の適切な指示を聞きながら無事に全員が目的地まで到着できました。
 足元に気を付けながら下山する参加者  別れのつどいで講師にお礼を伝える参加者
参加者の声
  ・ 講師の方々のお話を聞いたり、アイゼンを着けた登山体験をしたりしたので、山への関心が高まりました。
  ・ 新緑や紅葉の時期にあるトレッキングの企画にも仲間と一緒に参加したいです。
   ・ 天気に恵まれ、アイゼンも着けられ、無事に登山できたことに感謝します。また参加します。

全体をとおして
 二日間を通して大変暖かく、多くの参加者からは、「山には雪があるのか。」との心配の声が聞かれていました。しかし、活動が始まると、どの活動に対しても積極的で、冬山の安全な登山の仕方について学ぼうとする姿が見られました。今回、登山道具の使い方についての講話を初めて行い、冬山での事故を防ぐための知識を身に着けていただきました。参加者からは、「今後の登山の参考になった。」「正しい道具の選び方や使い方を知ることができた。」といった感想が聞かれました。
 今後も参加者の声を参考に、みなさんに満足していただけるような事業を企画していきます。