事業の報告 平成27年度
  3.環境ボランティア研修in英彦山Ⅲ
ねらい
 自然豊かな英彦山を舞台に、間伐材利用や河川の水質調査活動等を通して、森林環境や河川環境に関する理解を深めるとともに、環境保全のためのボランティア活動に主体的に参加しようとする人材の育成を図る。
期 日  平成27年11月29日(日)

参加者 20名(高校生5名、教員2名、一般5名、ボランティア団体8名)

プログラム
1日目
【8月22日(土)】

 時  間 内 容 及 び 活 動 内 容 
10:20~10:30 開講式
10:30~11:20  活動「みんなの森づくり」~森林整備~
11:20~13:40 活動「グリーンアドベンチャー」
13:40~14:30 活動「みんなの森づくり」~植樹作業~
14:30~15:30 講話「これからの環境について」
15:30~15:45 閉講式

        
活動の実際

活動【みんなの森づくり】 ~森林整備~
  森林保全の実践的活動として、英彦山青年の家前の杉林に入り倒木の整理やクラフトの材料となる折れた枝木の収集、落ち葉、枯れ枝の除去を行いました。参加者は、実際に体験することで、整備などの森づくりが必要なことを理解していきました。

↑森林整備を行う参加者 ↑軽トラ6台分除去しました

 参加者の声
作業後の森林を見て、環境を人の手で整えていくことはとても大切なことだということがわかりました。
活動に参加して、環境を大切に、自然を大切にしていきたいと思いました。
楽しく作業することができました。収集した枝木で何か作って記念にしたいです。 

活動【グリーンアドベンチャー】
 英彦山青年の家の活動プログラムである「グリーンアドベンチャー」を行いました。グループごとに出発し、協力しながらコース図を頼りに周辺に生育する植物を探し、観察し、問題を解いていきました。参加者は、和やかな雰囲気の中、植物の特徴などを発見していきました。
↑和やかな雰囲気で植物を探す参加者 ↑生育する植物を観察する参加者

 参加者の声
初めて、グリーンアドベンチャーを体験しました。体験しながら見つけていき自然にふれることもできました。
また、違う季節でチャレンジしてみたいです。歩くのが楽しかったです。
英彦山の自然の豊かさを知ることができました。協力して問題を解くことができました。 


活動【みんなの森づくり】 ~植樹作業~
 午前中に引き続き、みんなの森づくり活動として、植樹作業を体験しました。遠賀川源流サケの会会長青木宣人先生から指導していただきながら、木陰で日光が当たらず光合成が十分できていないクスノキ科のカナクギの木を日光が当たる場所に植え替えました。石が混じっている場所もあり穴を掘る作業が大変でしたが枝を剪定し、まっすぐに固定しながら埋戻し、根が張るようにしっかり足で踏み固めました。参加者はこれらの活動をとおして、森林保全活動の方法を理解し、実行することの大切さを体感していきました。
↑栄養確保のため枝を剪定しました  ↑移植したカナクギの木

参加者の声
今回のボランティアに参加してとても良かったです。なかなか植樹を体験する機会はないので、良い経験になり、ボランティアへの関心も高まりました。
山や木のことについてたくさんのことが学べました。またこのような体験をしたい。
木がかわいく思えました。今後の活動の参考となりました。 

講話【これからの環境について】
 最後に、植樹作業に引き続き青木先生から「これからの環境について」の講話をしていただきました。初めに日本全体の森林を見るための基本となる水平分布や垂直分布について説明されました。その後、間伐により荒廃している森に陽光が差し込み、下層植生が繁茂し表土の浸食や流出が抑制され動植物の生息が可能になることや学校の校舎に使用する木材に関することなど様々な視点からの話を聞く事ができました。参加者は、今後環境ボランティアに携わりたいという気持ちを高めることができました。
↑間伐について説明される青木先生 ↑講話を熱心に聞く参加者

参加者の声
今後の活動参加の参考になり、環境ボランティアへの関心がより高まりました。
使用する木材についても色々なことが分かり、とても興味がわきよかったです。
適地適木、その土地に合ったものをという考え方はあらためて大事にしていかなくてはならないと思います。


全体をとおして

 第3回の環境ボランティア研修in英彦山は、森林保全の実践的活動を体験し、考えていただく目的で行いました。参加者から「自然の大切さ、環境整備のあり方を痛切に感じました。又、是非、このような環境研修(森林)を受講したいと思います。」「今回、環境ボランティア研修に初めて参加させていただきました。充実した内容で是非今後も環境について関心を深めていきたいです。」という声が聞かれ、森林保全に対する関心やボランティア活動に対する意欲を高めることができました。環境問題は、私たち一人一人が取り組まなければならない問題であり、環境問題に関心を持つことが必要となります。3回行った研修は、近年における社会経済の変化に伴い、悪化した森林や河川環境について知り、保全のための活動を体験し、環境問題について考えていただく内容で行いました。環境ボランティアは、長期的な視野を持って活動しなければいけないこと、知識や技術を次の世代へ継承する必要があることなどがあります。これらの事も踏まえて、今後とも環境保全のためのボランティア活動に意欲的に参加しようとする人材を一人でも多く育成する企画をしていきたいと考えています。