事業報告

令和3年度

和き・合い・愛チャレンジキャンプ【3回目】

期 日 

令和3年10月 3日(日) 1日

参加者 

4名

事業目的

 知的障がいのある児童・生徒を対象に、自然体験活動や社会体験活動のプログラムを通して、何事にも主体的に取り組む力や他者とふれあう力を育み、自立心や社会性を身につける力を養います。

スケジュール


10月3日(日)
9:00  ボランティア研修
9:45  はじまりの会
10:00  職場見学・就労体験
10:15  保護者プログラム
12:00  簡単クッキング
13:30  選挙に行こう!
14:50  おわりの会

活動報告

【ボランティア事前研修】

 参加者受付前に、ボランティアスタッフへの事前研修を行いました。知的障がいのある生徒の行動特性について触れながら、実施する活動の中でどのような危険が考えられるかを考えてもらいました。また、参加者の保護者による事前アンケートの情報を共有するとともに、参加者・保護者との最初の対面時にどのように接すればよいかをイメージしてもらいました。


事前研修を生かして初対面


【職場見学・就労体験】

 参加者は保護者と分かれ、活動がスタートしました。会場のすぐ隣にあるエフコープ篠栗敷地内の「アップルファーム」へ歩いて移動しました。初めに担当者から業務の内容や椎茸栽培の流れについて説明を受けました。続いて1人1つ椎茸を実際に摘み、袋詰めに挑戦しました。1袋当りの重量が規定の範囲に収まるよう調整しました。袋詰めした椎茸はお土産としていただくこととなり、「シチューに入れたい!」など嬉しそうに話していました。


椎茸栽培の説明を聞きます

椎茸摘みに挑戦!

重さを正確に計ります   
【保護者プログラム】

 参加者受付の後、保護者には社会教育総合センターへ移動していただき、保護者プログラムを行いました。福岡県央障害者就労・生活支援センターの横谷佳代センター長を招聘し、「将来の自立に向けて・・・子ども時代から取り組んでおくと助かるアレコレ・知っておくと助かるいろいろな制度(就労・生活編)」と題して講義をいただきました。講義後の質疑応答では、参加した保護者から積極的な質問が出され、横谷センター長も1つ1つに丁寧に答えてくださいました。


熱心に講義を聴いています

質問に丁寧に答えてくださいました
【簡単クッキング】

 職場見学・就労体験が終わった後、参加者は徒歩で社会教育総合センターへ移動し、昼食づくりをしました。今回は「簡単クッキング」と題して、牛乳パックでホットサンドをつくりました。新型コロナウイルス感染症対策を念入りに講じながら、自分の分と保護者の分と合わせて2枚焼きました。牛乳パックに火をつけ、少しづつ焼けていくのをじっと見つめている姿は、「美味しくなれ!」と念じている様に見えました。保護者プログラムが終了した保護者も一緒に集い、子どもがつくったホットサンドを親子で和きあいあいと頬張っていました。


食パンにケチャップとマヨネーズを塗ります

スライスチーズ・玉ねぎ・トマトをのせます
   

アルミホイールに包んで牛乳パックに入れて焼きます

外はカリッと中はふんわりと
【選挙に行こう!】

 午後は、「選挙に行こう!」と題して、主権者教育プログラムを行いました。初めに、民法の改正により来春から18歳で成人となることや成人すると法律的に何ができるようなるのかなどについて簡単に説明し、参政権の話へつなげていきました。その後、「社教村村長選挙」という模擬選挙活動を行いました。指導員2名が立候補者に扮し、事前に準備していた選挙公報及び政見放送の形で、それぞれの政策を村民に訴えかけました。参加者は選挙公報及び政見放送を見てボランティアと一緒に解釈を深めながらどちらに投票するかを決めました。篠栗町役場住民課選挙係より記載台及び投票箱を事前に借り受け、実際の投票所と同じような場所を別室に設置し、参加者はその投票所で清き一票を投じました。投票後、参加者の目前で開票作業及び集計を行い、結果を発表しました。


選挙公報を読みました

政見放送を見ました
   

投票用紙に記入中

いざ、投票!
   

開票の結果、新村長誕生! 
 
【ふりかえり】

 3つの活動のふりかえりをしました。高等部の生徒であるため、自己評価及び質問に文章で答える形とし、自分の言葉で感想や考えを書いてもらいました。さらにそれをボランティアに伝えるとともに、ボランティアからもコメントをもらいました。その後、保護者にも入っていただき、三者でコミュニケーションを深めながらふりかえり、交流することができました。


自分の言葉でふりかえりました

三者でふりかえりました

 参加者の声

  • 最初から最後まで楽しかったみたいです。
  • 選挙のこともよく知ってほしいです。
  • 学校卒業後に自分の決めた進路に進められるように、自己決定支援をしていきたいと思います。
  • 大人になったら、生活は学生のころとどういうふうに異なるかを考えて、一生懸命に勉強したりすること。
  • ホットサンド作りも選挙もとても良い経験をさせていただきました。
 

全体をとおして

 和き・合い・愛チャレンジキャンプ【第3回】は高等部の生徒を対象に実施しました。本来なら1泊2日でのキャンプを予定していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言明けすぐの日程だったこともあり、内容を凝縮してのデイキャンプとなりました。今回は高等部の生徒を対象としていたため、新規プログラムも実施しました。職場見学・就労体験については、ずっと以前のこのキャンプで行っていましたが、社会へ巣立つ直前期の高等部生徒にとってはやはり大切なものであろうという趣旨で復活させました。さらに、平成28年6月以降、選挙権が18歳へ引き下げられ、高校でも主権者教育が取り入れられつつあることを鑑みて、今回新たに主権者教育プログラム(模擬選挙)を取り入れ、全体として実社会への接続を意識したプログラムを展開しました。天気にも恵まれ、参加者は皆、どの活動にも前向きに取り組んでいました。

 今年度の「和き・合い・愛チャレンジキャンプ」は、これで終了となります。小学部1年生〜4年生を対象とした第2回目はコロナ禍により中止となり、応募してくださった皆様には大変ご迷惑をおかけしました。来年度も各回で対象学年を変え、プログラムの更なる充実を図りながら実施したいと考えています。