事業報告
 平成23年度
新任社会教育関係職員等研修会
期日:平成23年6月9日(木)〜10日(金)
 
参加者:63名
 
事業目的
県及び市町村の新任の生涯学習・社会教育関係職員を対象に、業務を遂行する上で必要な基礎的な知識及び社会教育の課題について理解・技術を深めるために実施しました。
 
研修の実際
【研修1】「社会教育関係職員の役割〜生涯学習・社会教育の基礎知識〜」
      県立社会教育総合センター    社会教育主事   

 研修1では、「社会教育関係職員の役割〜生涯学習・社会教育の基礎知識〜」という内容で、講義を行いました。基本となる3つの法令(教育基本法、社会教育法、通称:四六答申)・生涯学習と社会教育の位置づけ・特質等について、その上で社会教育関係職員に求められる役割等について、具体的に説明しました。
研修1での説明の様子
   研修1での説明の様子
 【研修2】「わたしたちのまちの社会教育の交流」
     〜社会教育・生涯学習事業等の情報を持ち寄り、情報交換〜
        県立社会教育総合センター   社会教育主事

 研修2では、「『わたしたちのまちの社会教育の交流』〜社会教育・生涯学習事業等の情報を持ち寄り、情報交換〜」という内容で、グループ別のワークショップを行いました。まず初めに、自己紹介(ぐるぐる自己紹介)を兼ねたアイスブレイクをしました。名前から始まり、私の笑顔、チャームポイント等順に短時間で自己紹介をしました。次に、各市町村の事業等の紹介・質疑など情報交換をしました。
 
研修2 グループワーク
 研修2 グループワークの仕方説明  研修2 グループワークの様子
 【研修3】「国・県の社会教育推進施策」
        教育庁教育企画部社会教育課  主幹社会教育主事 吉田 善仁

 研修3では、「国・県の社会教育推進施策」について、教育庁教育企画部社会教育課  主幹社会教育主事 吉田 善仁氏に講義をしていただきました。国や県の考え方・動きなど、説明していただきました。特に「教育力向上」福岡県民運動の必要性、主要施策等についての説明は、新任者にとって今行っている事業等がどのような意味があるのか、つながりがあるのか認識を深めることができました。
研修3 吉田主幹による講義の様子
   研修3 吉田主幹による講義の様子
 【研修4】「社会教育における青少年教育」
       県立社会教育総合センター   社会教育主事

 研修4では、「社会教育における青少年教育」についての説明をしました。最近の青少年の実態から、国・県の施策、体験活動の意義や効果・方法など説明しました。特に「なぜ、今体験活動なのか」という意義については、体験活動がその後の人生に大きな影響を与える可能性を秘めていること。地域の中にこそ体験活動があり、各機関等との連携した取組をつくることが、関係職員に求められている役割であるということ等を説明しました。
研修4 青少年教育についての説明
   研修4 青少年教育についての説明
  【研修5】「社会教育における家庭教育」
      
〜保護者への子育て調査から見える、家庭教育支援について〜
        県立社会教育総合センター  社会教育主事

 研修5では、「『社会教育における家庭教育』〜保護者への子育て調査から見える、家庭教育支援について〜」の説明をしました。社会教育総合センターでは、平成7年度から5年ごとに、家庭教育に関する調査を行っています。この研修では昨年度実施した親の子育て実態や思い等についての報告と今後の家庭教育の支援の在り方「待つから、届ける」家庭教育支援の大切さ等について説明しました。   
研修5 家庭教育についての説明
  研修5 家庭教育についての説明
  【研修6】 「社会教育における学校教育」
     
 〜現状から見える今後の社会教育と学校教育の連携〜
        教育庁南筑後教育事務所  社会教育室長  内藤 妙子

 研修6では、「『社会教育における学校教』〜現状から見える今後の社会教育と学校教育の連携〜」について、教育庁南筑後教育事務所 社会教育室長 内藤 妙子氏に講義をしていただきました。学校と地域の現状から学校と地域の協働の必要性。そのための学校支援ボランティアの意義と役割について様々な実践事例をもとに講義をしていただきました。
研修6 内藤室長による講義の様子
  研修6 内藤室長による講義の様子
  【研修7】「社会教育における、課題解決のための学習プログラムの在り方」
        福岡県立社会教育総合センター 副所長  黒田 修三

 研修7では、「社会教育における、課題解決のための学習プログラムの在り方」について、県立社会教育総合センター 副所長 黒田 修三氏が行いました。学習プログラムを作成する上でのマネジメント・サイクルの重要性。またその上でのマネジメントプロセスを、Ph.P手法を用いての実際を、事例を基に説明しました。
研修7 黒田副所長による講義の様子
  研修7 黒田副所長による講義の様子
  【研修8】「わたしたちのまちの現状と課題解決の方向性(課題別分科会)」
        県立社会教育総合センター  社会教育主事
 研修8では、「わたしたちのまちの現状と課題解決の方向性(課題別分科会)」について、研修7の講義を受けて、課題別で演習を行いました。まず、個人でワークシートに@現状の把握、A原因の特定、B目標の設定、C手段の選択、D集団意思の形成の順に書き込みました。その後、グループ内で発表し、全体での交流をしました。最初は戸惑っていらっしゃる方もいましたが、市町村の様子や実際の事業等を思い浮かべながら、熱心に書き込んだり交流を深めたりしました。  研修8グループ演習の様子
研修8グループ演習の様子@ 研修8グループ演習の様子A 

参加者の声(各研修より)
  ・ 社会教育の基礎を体系的に分かりやすく説明していただいたことはもちろん、「AKB48」の導入・落ちは日常的に社会教育の素材がどこにでもあるんだということが分かり、感動しました。
 ・ グループ分けが自分にとって近い方々が多く、情報交換では共通する部分が多く、よい交流ができた。
 ・ 自分の担当している内容と多く重なる部分がありました。県の事業として行っているものが、国の施策とどうあるのかを整理することができました。
 ・ 体験による知識の重要性がわかり、大人がどのように関わればよいのか、再認識した。
 ・ 家庭教育の低下を感じている親が80%もあることに驚いた。待つから届ける家庭教育支援。
 ・ 新しい事例を数多く紹介していただき、特にコミュニティカレンダーは取り組みやすく、実質的だと感じた。
 ・ プラン作成時の思考過程の大切さを学ぶことができた。研修後再度事業について考え、本当に地域の人たちに役立てるものをやれるようにしたい。
 ・ 目標・目的をはっきりさせ、現状の把握・原因の特定・手段・意思の形成など思考する大切さがわかった。
 ・ 中身の濃いカリキュラムだったと思います。今回の研修を生かして、ひと・もの・ことを上手にコーディネートし、ひとづくりまちづくりを行っていこうと思う。

全体をとおして

 全体を通して、「3.62」と高い評価を得ることができた。少し仕事にも慣れ、課題や疑問、もっと業務について知りたいという意欲等が出てくる時期である新任に方々にとって、有効であったと考えます。全体感想の中にも「討議形式は本当に(業務について)考えることができた。ネットワークの形成ができた。中身の濃いカリキュラムでしたが、今回の研修を生かして、ひと・もの・ことを上手にコーディネートし、ひとづくりまちづくりを行っていきたいと思います。」等、本事業の目的をおおむね達成できたと考えます。