事業報告
 平成25年度
社会教育専門研修A  教育力向上福岡県民運動推進事業
学校・家庭・地域の連携推進セミナーB
主催 福岡県教育委員会
後援 九州大学、佐賀県、長崎県教育委員会、大分県教育委員会、沖縄県教育委員会
主管 福岡県立社会教育総合センター
 期 日  平成26年1月22日(水)

 参加者  46名
 
 事業目的
 「福岡がめざす子ども」の育成に向け、学校・家庭・地域の連携・協働を進めていくことによってどのような効果があるのかを考え、今後の取り組みの方向性を見つけ、意識を高める機会とする。
 研修の実際
 【実践発表1】 「地域人材によるアウトリーチ(訪問)型家庭教育支援」
 
 発表者: 大木町家庭教育支援チーム ファミリーサポーターズ「和」
  家庭教育支援員 コ永 清美
   大木町では、平成20年度、福岡県の「家庭教育支援基盤形成事業」の委託を受けて「家庭教育支援チーム」がスタートしました。親子関係、不登校などの問題を、関係者を繋ぎながら直接・間接に支援されています。「アウトリーチ(訪問)型」をはじめとするいろいろな方法を通して、不登校の解消、教員と支援チームの信頼関係づくり、学校と行政が連携して親子の育ちを支援する環境の醸成に取り組んでおられます。今回は、その環境づくりについて具体的事例をもとにお話していただきました。
 
実践発表の様子@ 実践発表の様子A 

【実践発表2】 「保護者が子どもに寄り添い、共に考える道徳の時間の取組」
   発表者:八女市立黒木小学校 主幹教諭  拓也 
   黒木小学校では、道徳の時間を中心とした「学校と家庭・地域との互恵関係」づくりに取り組まれています。それは、家庭や地域が、学校教育に関わる場の工夫を図ることによって、学校だけでなく、家庭・地域が何らかの恩恵を受けるWin-Winの関係をめざした取組です。今回は、学校の教育活動、特に道徳の時間を通して保護者相互理解の深まりや、保護者自身の意識の高まり、地域共同体への参画意識の高まり、地域住民の自己有用感の高まり等をめざした取組について発表していただきました。
 
実践発表の様子B 実践発表の様子C

 【講義・演習】  「PTA研修会等で使える『親の学び』プログラムと家庭教育支援」
 講師:NPO法人チェンジライフ熊本 理事 三角 幸三
   午後からの講義・演習では、参加体験型の学習で、自分の子育てについて振り返ったり、参加者のコミュニケーション能力を高めたりしながら、子どもの発達段階に応じた対話のあり方などを学ぶことができる「親の学び」プログラムの一部を演習としても実践していただきました。
 
   
 三角先生の講義・演習の様子@ 三角先生の講義・演習の様子A 
   
 三角先生の講義・演習の様子B 三角先生の講義・演習の様子C 
   
三角先生の講義・演習の様子D 三角先生の講義・演習の様子E

【まとめ】  「学校・家庭・地域の連携推進の今後の方向性について」
  教育庁教育企画部社会教育課 主幹社会教育主事  内藤 妙子
   「学校・家庭・地域の連携推進の今後の方向性について」というテーマで、学校・家庭・地域の連携推進の法的根拠、そして、その必要性について、教育庁教育企画部社会教育課 内藤 妙子主幹社会教育主事が研修のまとめを行いました。
内藤主幹のまとめの様子@ 内藤主幹のまとめの様子A

参加者の声
大木町のアウトリーチ型家庭教育支援のシステムが大変参考になりました。家庭の教育力が低下している中、どこの市町でも必要なシステムだと痛感しました。親子で共に考える道徳の時間、ぜひ学校の職員に紹介し、実践させたいと思いました。
・(黒木小の実践で)保護者が共に学ぶことは、大きな教育効果を上げることができると思う。PTAの参加率をいかに上げるかは、大きな問題であり、その課題の克服に役立つ内容であった。
・大木町の取組は、すぐにはできませんが、各市町村で、今、一番大切なことではないかと感じました。学校との連携、行政との連携、少しでもコーディネィトできたら・・・と思います。
・大変楽しい講義・演習でした。そして、今後の保護者の学びに生かしていけるすばらしいノウハウを教えていただき、大変感謝申しあげます。
・とても参考になりました。保護者をつなぐ、子どもをつなぐ方法を、楽しくご指導いただきました。是非、各学校の教職員向けの講演会でご指導をお願いしたいところです。
・「レベルを下げて質を確保・・・が参加意欲(つながり)を高める」が、本日学んだキーワードであります。
・さすが人の心をつかむプロだなと感じました。もっと時間をかけて聞きたかったです。おもしろさだけでなく、それをどうプログラムと結びつけるかということが大切だということに改めて気づかされ、大変よかったです。
・キーワードのつながり≠大切にして、学校・家庭・社会が一緒になって取り組んでいきたいと思いました。
・初めて参加させて頂きました。地域の教育力・家庭の教育力が低下している中、規範意識の低下や不登校の増加が本校でも問題となってきています。このような実態は、これからも顕著になってくるものと思われます。そのような中で、学校・家庭・地域をつなぐことは不可欠だと思いました。ぜひ、町への要求、学校でできることから始めたいと思います。

全体をとおして 
 今回、「学校・地域は家庭の応援団!〜親子が元気になる『つなげる家庭教育』支援をめざして〜」というタイトルでセミナーを実施しました。行政の立場から、そして、学校側から家庭・地域と連携して家庭教育支援を行っている実践を伺いながら、まさしく、いかに家庭教育を“つなげていくか”が問われていると感じました。そして、その“つなげる”手法として、三角先生の「親の学び」プログラムのすばらしさも体感していただけたのではないかと思っております。今後、それぞれの立場や地域でできるところからぜひ実践していただければと思います。
    ご参加いただきありがとうございました。