事業報告
 平成26年度
社会教育専門研修A 教育力向上福岡県民運動推進事業
学校・家庭・地域の連携推進セミナーA
 
 期 日  平成26年10月17日(金) 13:20〜16:20
 参加者   62名
 事業内容
 「福岡がめざす子ども」の育成に向け、学校・家庭・地域の連携・協働を進めていくことによって、どのような効果があるのかを考え、今後の取り組みに向けての方向性を見つけ意識を高める機会とする。(今回は3回シリーズの第2回目です。)
 内容の実際
【事業説明】学校・家庭・地域の連携推進セミナーの全体構想について
  国の第2期教育振興基本計画の方向性に見える連携の在り方や、地方が抱える人口減の問題と、前回のセミナーの内容を踏まえ、学校・家庭・地域の連携推進の必要性について確認をしました。
【実践発表】 「地域の子は、地域で育てる!」
           〜子どもたちを育む地域、学校はどのようにして生まれたか〜
吉武地区コミュニティ運営協議会 吉武小学校学童保育所・正助さんの寺子屋 
運営管理責任者 山 靖生 氏 
宗像市子ども部 子ども育成課 社会教育主事 久保 謙司 氏 
 「『地域から学校をなくさないために何ができるのか』『先生方が働きたいと思う学校にするためにはどうすればいいのか』地域を元気にする学校を住民自らが守るために行ったこと、それは、地域コミュニティを活性化する組織づくりと市民活動団体のネットワークづくり。」山さん自身の活動を通し熱く語っていただきました。また、そうした地域住民の想いや願いを形にするためにどのような支援ができるのか、学校と地域を結ぶ取組をどうサポートするのか、行政支援の在り方について久保さんからその実際をお話しいただきました。
【講  義】「子どもの育ちによりそう学校と地域の協働」
          〜子どもと地域の厳しさにどうたちむかっていくのか〜

 九州大学大学院人間環境学研究院教育学部門・社会教育学  
准教授 岡 幸江 氏  
 「今後持続する地域社会をどうやってつくっていくのか、それは、地域社会を担う子どもたちがその地域でどう育まれていくのかということに大きく影響される。」今の社会に求められるのは、子ども・若者への「伴走的支援」であり、@「子ども個人の現実に寄り添うまなざし」とA「『人を育む組織』の現実に寄り添うまなざし」の2つが求められているとご提言いただきました。
 
 参加者の声
○吉武の取組を新聞では見ていましたが、本当に素晴らしいですね。人の熱い思いが学校、地域、子どもの育ちを支えると思いました。自分の住んでいる地域、自分の立ち位置を考えさせられました。ありがとうございました。  
○全国的に見ても、先進的事例だと思います。各市町村の状況が違うので、そのままはとりいれられないが、理念等は参考にできる。
○宗像市のまちづくりの基本方針がしっかりしているのは参考になった。
○校区コミュニティの取組(県内随一の取組)過去の悪いものを取り払い、思い切った取組。底辺には生涯学習まちづくりの集大成のように見えた。(市民・職員の意識改革が出来ている。)
○吉武教育プラットホームに興味を持ちました。地域、保護者、学校、三者がともに語り合えるしかけを考えていきたいと思ったところです。
○岡先生のお話は、聞くたびに考えるきっかけを与えてくださります。これからの社会教育のあり方について、新たな視点で自身の受け持つ地域を見つめなおしていきたいと思います。
○吉武の実践をもとに、広い視野からの連携のとらえ方がとてもよかった。学社連携とは、学校教育への地域の協力や協働して行うといった形だけでとらえるのではなく、意識や思いといった理念でとらえるものだと感じた。学校が地域をつくり、地域が学校をつくることが、地域の活性化ともつながる真の連携の姿だと思う。
○日頃、社会から学校を見ることはしていなかったが、社会の中にある学校を考えることで、今後地域でできることのヒントがみつかったように思う。   
○興味深い話が多く、人と人がつながるにはどうすればいいのかがよくわかった。特に、「伴走的支援」の考え方はまさに今の時代のニーズには欠かせないものだと感じた。不登校生徒など、学校が抱えきれない課題には必要な存在だと思う。 
○伴走型支援という言葉は、初めて聞いた。地域社会の力が低下したことで、社会教育は厳しい状況にいる地域の人たちに寄り添って支援していく必要があると思う。大人の背中が、次の世代を育てるという言葉が心に残った。 
○日常的に薄れてきている、久しぶりに社会教育の役割について考えさせられました。
○吉武の実践発表とその後の講義の中でのやり取りが、内容の濃いものだった。自分の地域での資源等をいかし、地域や学校を連携していけるような取り組みをしたい。
○学校コミュニティの組織づくりを考えていかなければいけないのですが、だれのためのコミュニティなのかを考える意味でも、いい勉強になったと思います。ありがとうございます。