期 日 平成26年12月1日(月) 13:10〜16:40 |
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参加者 50名 |
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事業内容 |
「福岡がめざす子ども」の育成に向け、学校・家庭・地域の連携・協働を進めていくことによって、どのような効果があるのかを考え、今後の取り組みに向けての方向性を見つけ意識を高める機会とする。(今回は3回シリーズの第3回目です。) |
内容の実際 |
【副所長あいさつ】 |
「家庭教育支援チームの在り方に関する検討委員会」の審議の中で整理されている家庭教育の課題を解消するため、国は人材育成や組織の運営サポートに力を入れております。県は昨年度より「ふくおか家庭教育支援事業」を立ち上げ、規則正しい生活習慣づくりの継承と保護者啓発のための情報発信に力を入れています。学校・家庭・地域の連携は、地域それぞれの課題を踏まえ、特色を生かしながら推進していくことが大切です。
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【実践発表】 「『協育』ネットワークの構築による、学校・家庭・地域の連携推進の在り方」
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大分県由布市立阿蘇野小学校 校長 伊東 俊昭 氏 |
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≪なぜ大分は『協育』ネットワークを構築する必要があったのか。それは、@学校だけでは難しい課題解決に向けて協力体制をつくるため。A授業内容・行事の充実を図るため。B信頼される学校づくりのためC教職員の専門性を高めるためである。そのために地域からの参画者を集め、学校の思いや現状を発信することからスタートしていった。また、子どもたちの「生きる力」を育むためには、より多くの人と関わり、様々な体験活動を行うことで体験知を増やすことが大切であり、学校内だけでの人との関わりや 教師だけで仕組む体験活動だけでは十分とは言えない。地域や家庭と学校が協働することで、子どもたちの体験知を増やすことができる。こうした協働の『協育』からは、子ども達だけでなく、地域の大人や保護者、学校職員も体験知を増やすことができる。「みんなが幸せになる学校」とは、「子ども・親・職員・地域が学びあえる学校」である。≫ 発表内容は、伊東校長先生ご自身の実践事例や体験をもとに、多くの学びとなる情報を発信していただきました。
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【協 議】「子どもの育ちによりそう学校と地域の協働」
〜子どもと地域の厳しさにどうたちむかっていくのか〜 |
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前半は、岡先生がコーディネーターとなり、伊東校長先生にインタビューする中で、実践のポイントとなる部分について、明らかにしていただきました。
○校内のコーディネーター役は教頭よりも、教諭で担当を置く方がよい。管理職は2〜3年で移動するが、教諭であれば在職期間も長く職員の重なりもあるため、引継ぎも容易でありシステムが停滞しにくい。
○学校からの情報発信は大切・・・@学校の取組を正しく知ってもらうため
A情報発信によって外からの視点を入れる。このことによって、学校の当り前をもう一度
問うことになる。
※そしてすべては、いい情報スパイラルをつくるため。
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【講 義】 「学校・家庭・地域をつなぐとは」 |
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九州大学大学院人間環境学研究院教育学部門・社会教育学 准教授 岡 幸江 氏 |
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「今、小さな事が『大事』に発展しがちな世の中になってきている。(問題対応に力が注がれる世の中)本当は、もっと『平場の関係』が築けていれば、『平場での話』ができていれば、大事には至らない。」「連携とは本来、わたしたちの生活世界に『平場の関係』、いいかえれば、安心できる・打ち明け相談できる関係性をとりもどしていくことではないだろうか。」「子どもの育ちは学校や教師だけでは成立しない。親と切り離しては考えられない。しかし、子ども会育成会をはじめとする親育ちの場が消えゆく中、親も厳しさを感じる現状である。そんな時代だからこそ親と子どもを巻き込んだ取り組みが必要である。」「子どもと親、教師や地域が元気になるためには、学校教育と社会教育の両輪で動かしていくことが大切。」「学校・家庭・地域それぞれの主体が育ち合う環境をつくる学習支援者とは、社会教育主事であり、学校の管理職、校内の地域コーディネーターである。」とご提言いただきました。
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参加者の声 |
○すばらしい行動力にびっくりしました。動くこと、汗をかくことで、職員と地域と保護者と一体となることを再確認です。【県】 |
○これだけ地域の力を生かして取り組めるものなのかと思うほどだった。少しでも参考にし、活用していきたいと思った。【県】 |
○内容の充実と方法のダイナミックスさ、うまく機能することで学校にも地域にもよい教育が行われている。もっと時間があれば詳しく聞きたいほど、興味が持てた内容だった。【県】 |
○大変わかりやすく今後の参考になりました。時間があればもっと話をより詳しく聞いてみたかった。【市町村】 |
○「協育」のネットワークが、子どもたちの生きる力、将来の目標のきっかけになっていくと思うし、学校・地域の大人たちにも良い刺激になっている。【市町村】 |
○話の中身が濃い分、時間が足りないくらいでした。【市町村】 |
○協育コーディネーターという存在は、学校と地域を結ぶうえで、とてもよいものだと感じた。人材探しは大変だろうが、取り入れてみたいと思う。【市町村】 |
○学校外の人材を見出すために、いかに努力し、つながりを持つことが大切かわかった。【学校】 |
○他の地域の状況や情報などを知ることができてよかった。初めての参加でしたが、自分の意見をちゃんと発信することができました。【市町村】 |
○内容もですが、意見交流メモの使い方が参考になり、ぜひ、学校でもつかってみようと思いました。【学校】 |
○親の考え方の視点はなかった。そういうことも考えながら手を打っていかなければならないと思った。【県】 |
○親や地域の現状を別の視点から考えることで、育ちあうことの大切さを理解できた。連携で子どもを育てるという点だけで考えるのではなく、親も地域も育つという点から総合的に考えることが大切なのだと思う。【県】 |
○何かをさせればよいではなく、そこにあるねらいが大事。そのための「親の学び」であるし「必要なこと」だと思います。では、どのように、親をまきこむのか・・・その前に自分はどうなのか。まずは自分の学びから始めてみます。ありがとうございました。【県】 |
○今の社会がおかれている状況の厳しい現実と直視するとき、学校・家庭・地域と連携することの必要性を改めて感じた。平場の関係。常に意識したいです。【市町村】 |
○平場の関係を身につけていく必要。特化された家庭教育ではなく、子・親が学びあう場づくりが大切。【市町村】 |
○別の視点で「つながること」「体験」を教えていただいた。安心できるつながりをつくっていきたい。【学校】 |
○充実した内容で、単なる連携だけでなく、広い視野からの総合的な連携を問いかけてくれたセミナーだったように思う。考えを深めるうえで、大変参考になった。【県】 |
○いいセミナーを開催していただきありがとうございました。【市町村】 |
○よく練られたプログラムでした。【市町村】 |
○核家族、地域や学校とのつながりが少ない今の時代の課題について、大切なヒントがたくさんありました。ありがとうございます。【市町村】 |
○「学校・家庭・地域・行政がつながるのは、子どもも大人も安心して共に学ぶことができるため」ということを考えさせていただきました。【学校】 |