期 日 平成28年6月1日(金) 9:50〜16:00 |
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参加者 47名 |
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事業内容 |
地域における社会参加活動を促進する人材の育成や、研修参加者の地域における協働の取組を促進する手法としてのファシリテーション能力を育成する。 |
内容の実際 |
【説明】「まちづくり・人づくりを担う人材育成研修について」 |
説明者 福岡県立社会教育総合センター 研修・情報室 遠藤 芳徳 |
本講座は募集定員30名に対し、最終申込実数は50名にも及びました。そうした状況からもわかるように、このファシリテーションは、多様な価値観を持つ方々と課題やビジョンを共有する手法として各分野において今あらためて注目されています。
本講座については、まちづくり・人づくりを担う人材育成研修の第1弾として位置付け、人材育成に関わる内容の理解促進と、スキルの習得を目指しております。この他には、コミュニケーション力育成講座、まちづくりに活かす企画力育成講座の2本を企画しており、3本合わせて受講していただくことにより、人間関係力のスキルアップと会議運営能力のスキルアップを目指しているという研修講座のつくりについて説明させていただきました。
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【研修1】(講義)「組織や地域人材の協働を活性化するファシリテーションとは」 |
講師 特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会 フェロー
認定特定非営利活動法人日本ボランティアコーディネーター協会 理事・運営委員
国立大学法人九州大学大学院 統合新領域学府 客員准教授 加留部 貴行 氏 |
研修1では、講師の加留部先生より、ファシリテーションについて概論や目指す姿等についてお話をいただきました。
「ファシリテーションの前に、まず会議という場で何を目指すのか。SNSによる連絡やテレビ会議等が盛んにとりおこなわれる中、わざわざ集める、集まるにはわけがある。集まる理由は2つの限界を乗り越えるため。@個人の限界(物理的・質的・精神的)やA文字情報の限界(・読んでいない・取捨選択できない・行動が読めない)を乗り越えるために必要なのだ。
そもそも会議という場を捉えなおす必要がある。会議は何のためにあるのか。それは、@対話と気づきで「出席者」を「参加者」にする。A人を管理して「仕切る」だけではなく、人を支援して「自発性」を促す。B孤軍奮闘・孤立無援の人たちをつなげる。そうしたことに取り組むことで、地域にある社会関係資本をより豊かなものにしていく。そのことが会議を通してつくられていく必要がある。そこで、われわれの目指す会議とは、よりよい「交換」を生み出すものでなくてはならないということである。
では、よりよい会議を取り仕切るためのファシリテーションとはどのようなものか。ファシリテーションとは「引き出す力」と一般的には言われている。しかし、語源の「ファシル」を超飛躍的翻訳すると、「芽吹かせる」と訳すことができる。参加者の内なる想いを聞きだし、書き出すといった動きをつけ、参加を引き出す(うながす)ことが大きな目的である。そこに機能するファシリテーターの役割は、参加者に対し中立的な立場で、プロセスを管理し、チームワークを引き出し、成果が最大となるように支援することである。「成果」もさることながら、「納得感」を引き出すために注力することが大切。」と、今回の幅広い参加者(行政関係者、NPO、学校関係者)に向けわかり易く様々な事例を盛り込みながらお話いただきました。
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【研修2】(演習)「まちづくり会議のおけるファシリテーションの実践」 |
講師 特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会 フェロー
認定特定非営利活動法人日本ボランティアコーディネーター協会 理事・運営委員
国立大学法人九州大学大学院 統合新領域学府 客員准教授 加留部 貴行 氏 |
午後からは、ファシリテーションの演習とその意図開き、質疑の時間を取っていただきました。
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まず、参加者全員でワーク@【共有】の手法として「ワールドカフェ」を体験しました。
最初は、初めの島のメンバーでお互いに自己紹介をし合い、初めに出された問いについてそれぞれの考えを出し合います。 |
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はじめに出された問いは「5年後の私たちはどのようなくらしをしているでしょうか」です。話もさることながら、テーマについてあれこれと思いつくこと、聞いて納得したこと、気になるキーワード等々、机上の模造紙にペンで記入していきます。
この後、一人を残し後のメンバーは他の島へ。そこでも同様に話題を展開していきます。
気が付けば話も盛り上がり、上右の写真のように紙一面に落書きが・・・。
時間と人数の関係上、元の島に戻って、散らばった先での話題について最初のメンバーで共有します。
次に、ワークAの【探究活動】「オープン・スペース・テクノロジー(OST)」にうつります。ここで2つ目の問いが出されました。
問い「あなたがさらに深堀したいテーマを一つ挙げて 同じ想いの仲間を募って話をしてください。」
写真に見られるように、A4の紙に自分の気になるキーワードを記入し、お互いに見せ合いながら仲間づくりを行います。グループが出来たらテーブルについて、最初のワールドカフェ同様に、テーマを紙の真ん中に書き出し、テーマについて語り合います。
同じテーマということで、会話も盛り上がり、共有から共感へと心情の変化もみられ、より深い内容についてお話しされている様子がうかがえました。 |
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最後にワークB【宣言】「チェックアウト」です。ここでも問いが出されます。
問い「あなたがこれから踏み出したい第一歩は何ですか」
この問いにふれて、これまで多くの人と語り合ったことを振り返り、決意の一言をA4の紙に書き出していきました。
一通りの演習を終えた後、あの時なぜあのような指示を出したのか、こうしたグルーピングにはどのような意図があったのか、ファシリテーターの言動について一つ一つを解説していただきました。また、その際に、これまで加留部先生が関わってこられたいくつもの会議の事例を踏まえながらご説明いただけたので、参加者も大きくうなずきながら、話に聞き入っていました。
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参加者の声 |
【研修1】(講義)「組織や地域人材の協働を活性化するファシリテーションとは」について |
「会議について」「出席者を参加者にする!」等、様々勉強になりました。ファシリテーターの役割もよく理解できました。 |
アクティブ・ラーニングを推進するためのファシリテーターの在り方について考えることができた。 |
改めてファシリテーションの重要性を確認できました。場(会議)の必要性、対話、etc…キーワードがたくさんストックできました。 |
いろんな団体の方々と会議を行いますので参考になりました。 |
目的に合わせて「支援」と「管理」のバランスを取るということが心に残りました。 |
ワールドカフェに参加したことはあるが、そのなりたちについて、また進め方について学ぶことができた。 |
出席者ではなく参加者にさせるということが気づかされた。 |
共働(協働)はストーリーづくり。共有と共感のプロセスなくして共働はない。そのための対話、会議づくりをしていきたい。 |
会議を捉えなおすことができました。特に出席者から参加者へする意味づけ価値づけができました。 |
人間は生身であるがゆえに、対話やつながり面識が重要であるということに改めて共感した。 |
価値ある会議にするためのファシリテーターの役割、心構え等が分かりやすい理論で説明していただいたので、とても参考になりました。 |
言葉ではきいたことがあった「ファシリテーション」について掘り下げて考える(知る)ことができました。ありがとうございました。 |
会議の進め方で、こんなに参加感が増すことがわかりました。 |
【研修2】(演習)「まちづくり会議におけるファシリテーションの実践」について
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