期 日 平成28年6月20日(月)10:00〜16:00 |
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参加者 70名 |
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事業内容 |
学校支援地域本部やコミュニティ・スクールの整備促進を図るにあたり、現代的課題である学校・家庭・地域の連携・協働に向けて、関係者の理解促進とコーディネーター等の育成を図る。 |
内容の実際 |
【説 明】〈事業説明〉
「学校・家庭・地域の連携・協働を進めていく上で」
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福岡県立社会教育総合センター 社会教育主事 |
第2期教育振興基本計画における現状と課題、福岡県が策定した「福岡県学校教育振興プラン」における福岡県のコミュニティ・スクール(以下、CSと表記)の設置状況や学校支援地域本部の設置状況から見える課題などから、平成28年度福岡県教育施策実施計画における目標値について紹介しました。
また、学校支援地域本部を設置している被災地での自治組織の立ち上がりや緊急時の仕事分担と共同作業の様子を紹介し(「学校を核とした地域力強化プラン」H27.9文部科学省生涯学習政策局社会教育課地域・学校支援推進室)、地域力=ソーシャルキャピタル(社会関係資本)の高い地域の説明を行いました。
そして、第1回目である本研修会のつくりについて説明させていただきました。山口県周防大島町の地域と学校をつなぐ先進的な取組の推進の様子の紹介と学校・家庭・地域の連携・協働の目的と具体策について、関係者の理解促進と今後の取組の充実につなげる機会としていただきたいという事業趣旨について説明しました。
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【研修1】〈講演〉
「教育ライヴ:子どもをキーワードに島を一つに」〜子どもたちは地域の宝、地域の未来のために〜
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講師: |
山口県周防大島町教育委員会CSスーパーバイザー |
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株式会社ジブンノオト代表取締役 大野 圭司 氏 |
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研修1では、講師の大野先生より、山口県周防大島町の紹介と概要、なぜCSにかかわるようになったのか、県・町の教育委員会とのつながりや仕組づくりとスーパーバイザーとしての動きや未来への構想等について御講演いただきました。
大野先生の独創性と豊富なアイディアから生み出された島おこしの取組をお話しいただきました。フロアと双方向型の共感・共有を求められ、時にはクイズ形式で講演をされました。15歳の頃から高齢化率日本一の周防大島の島おこしを考えていたこと、キャリア教育の取組は逆算して子どもの頃からでなければならないし、それを御家族にも実践していらっしゃること、すべては郷土愛に満ちた御自分のライフワークであり、大人になっても周防大島町のことを誇りに思う子どもたちを育てるためであることなど、興味深いものでした。
そして、周防大島町の教育委員会とCSスーパーバイザーの連携・協働について御説明いただきました。山口県では、全市町村に校長OBがCSコンダクターとして配置されており、周防大島町では大野先生がCSスーパーバイザーとして指導・助言していらっしゃること、学校からの社会教育主事を配置し学校との連絡を取りやすくしていること等システム面の充実の説明がありました。また、御自身が島のすべての学校運営協議会に出席していらっしゃること、何よりも各小・中学校との相談や連絡を密にしながら進めることができること等、決して大野先生一人に任せきりではないということをお話しいただきました。
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【研修2】〈対談〉
「地方創生型『キャリア教育・起業家教育』のめざすものとは」
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講師: |
山口県周防大島町教育委員会CSスーパーバイザー |
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株式会社ジブンノオト代表取締役 大野 圭司 氏 |
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九州大学大学院人間環境学研究院教育学部門・社会教育学 |
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准教授 岡 幸江 氏 |
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研修2では、大野先生と岡先生のお二人に御対談いただきました。大野先生の地方創生型『キャリア教育・起業家教育』のめざすものについて、岡先生にインタビュー形式の対談をお願いしました。地域の人・もの・ことをどうコーディネートしていらっしゃるのかといったこと、地域人としてのスタンスと動き(地域の生活者であることをベースにした教育者としての眼差し)、地域教育ディレクターの必要性についての話等、今までにない教育の枠組みづくりの提案でした。
また、研修1において、受講者の方々にいただいた質問内容を織り交ぜながらの対談を構成し、フロアからの声を引き出せるようにしました。
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【研修3】〈協議〉
「学校・家庭・地域の連携・協働の在り方」
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研修3では、受講者の方々とのグループ協議の場を設定しました。
グループ協議の前半では、「学校・家庭・地域の連携・協働は必要か・不要か」について立場討論をしました。そして、それをきっかけとして、連携・協働の目的について気付いていただくために、「連携・協働で何をつくり出せば(生み出せば)よいのか」を話し合っていただきました。郷土愛に満ちた地域づくりや大人と子どもを育む仕組づくりといったことがグループで話し合われた後、連携・協働推進のための具体策についてできるだけたくさんアイディアを出していただきました。
グループ協議の後半では、たくさん出し合った具体策について効果の大きさと実現・着手の難易度という2方向の尺度に従って4つの象限に整理するというペイオフマトリクスの手法を活用した話合いに取り組んでいただきました。
4象限の優位性や順序性について吟味し、協議のおわりに協議のまとめの一句をグループで話し合っていただきました。
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参加者の声 |
【研修1】〈講演〉 |
地域づくりに意欲の出る講演でした。 |
目指すゴールがはっきりしている。何のためにそしてそれを実現するためのプロセスが明確になっている。 |
学校に任せるだけの教育でなく、地域が現状に合った、先を見据えた教育をしていく必要があるんだなと感じた。逆算して計画を立てていく作業はとても大切だなと思いました。 |
大島の人口や街の大きさが同じくらいだったので、自分の街を考えた時参考になった。地元を離れても心は地元を忘れない子どもを育てたい。 |
地域の学校教育に主体的に取り組む大野さんの姿に感銘を受けました。 |
具体的に話があったので、とても面白く聞くことができたし参考になりました。 |
CSをすすめていく上で基盤となるものを指導していただいたように思う。 |
学校でのキャリア教育を総合の授業の中で地域の人が中心となって進めていること。 |
5割の子どもたちがふるさとに戻ってくることをめざすという言葉が心に残りました。 |
「ふるさと(故郷)への思い・誇り」を持った子どもを育てることが地域の活性化につながると思った。難しいことですが… |
自分の業務エリアの中にも離島があり、大変興味深く聞くことができました。 |
本校でやっていることに自信が持てました。地元を教材とした生き方学習が島の子どもの5〜10年後につながることが実感できました。ありがとうございました。 |
(大野)先生の発想がすばらしい。そして行動力。 |
情熱と誠実な取組が素晴らしい。 |
熱い話が聞けてよかったです。 |
【研修2】〈対談〉 |
今後の教育について、どのような人材の掘り起こしが必要か。そこらへんの考えを聞けてとても参考になりました。 |
地域(方)創生―そのための人材―そこに手をうつべき? |
今後のビジョン。地域の人は変わらないので持続可能だということ。 |
各学校の計画を見直すことが問われると感じました。市町村の教委も巻き込んで、方針を出していくことも大切かと思いました。 |
学校がおかれた状況の変化と、それに伴って変化していくもの(地域教育ディレクターや新しいクリエイティブな教師像)。 |
地域教育ディレクターの必要性。 |
コーディネーター、教師、マネジメントとそれぞれ力を尽くしている。 |
具体的事例。 |
地域人が教育に携わる。 |
どこでつながる 誰とつながる。 |
どんな時にでも、人とつながりを作る・もつ事を意識する。 |
アウトプットの視点を大事にした教育が大切。 |
キーパーソンとして「地域人」を見つけること。子育てをし、その地域に暮らし、主体的に動く人という事をポイントにしたいと思いました。 |
大野さんの様々な面がよくわかった。特に教師という一面が強く印象に残った。 |
地域教育ディレクターの存在が必要である。そのための人材(予算つきの)が必要である。 |
【研修3】<協議> |
いろいろな意見が聞けて、今後CSの計画に役立つ協議でした。このようなやり方から始めたら良いかなど、参考になりました。 |
自分自身の課題や学校として必要なものが明らかになった。 |
地域の実情がわかって勉強になり、参考になりました。 |
専門的な話をたくさん聞くことができました。 |
いろいろな立場の方とこの課題について話せたことはとてもよかったです。 |
自分の考えの変わる話を聞けました。 |
話合いの手法がよかった。 |
ペイオフマトリクス、参考になりました。 |
職場と生活の場が近い職員を増やしてもらいたい。 |
CSはこれからのテーマだと思いました。 |
グルーピングはとてもよかった。 |
他地域の実情や行政の方の話を聞くことができたことで、様々な考え方に触れ、意識の変容がありました。 |
学校側、行政側の立場で、連携・協働について意見を聞けたことは、とても参考になった。 |
地域づくりの基本に“子ども”学校“が必要なことをもっと多くの人に理解してほしいです。 |