事業報告
 平成28年度
社会教育専門研修
「社会教育・生涯学習関係者リーダーのための専門講座」
 
 期 日  平成28年7月26日(火) 10:20〜16:00
 参加者   73名
 事業内容
 地方創生の礎となる全員参加型社会の構築が求められる中、県下の社会教育・生涯学習の一層の振興を図るため、市町村で事業遂行の中心的役割を担う職員を対象に、その資質・能力の向上に資する研修を実施する。
 内容の実際
【研修1】(講義)
「生涯学習による可能性の拡大、自己実現及び社会貢献・地域課題解決に向けた環境整備に関する
中央教育審議会答申について」
 講師 文部科学省生涯学習政策局生涯学習推進課 課長 岸本 哲哉 氏
 今回の岸本課長の講義については、平成28年5月30日の中央教育審議会総会において取りまとめられた、「個人の能力と可能性を開花させ、全員参加による課題解決社会を実現するための教育の多様化と質保障の在り方について(答申)」について中心的にお話をいただきました。
  生涯学習を取り巻く状況として、社会状況の変化に伴い、自己実現学習の質の向上と、地域社会が住民の力を総合して地域の課題を解決していくことが、今求められている視点であることとお話しいただきました。さらに学習機会の提供者の現状から見えてくる課題としては、現在学習機会として提供されるものの多くは、平均的に教養習得に関するものが多く、これらの多くは自己完結型であり、地域課題の解決に向けた学びになっていないものが多い。知の循環型社会を構築する上でも学習機会の提供の在り方を見直す工夫が必要だといわれました。それらを踏まえ、今後の施策の方向性としてICTを活用した生涯学習プラットフォーム(仮称)により、学習と活動を効果的につなぎ、それらの活用を図ることによって、「『学び』と『活動』の循環」の形成が行われると展望をお話しいただきました。他にも検定試験の質の向上やICTを活用した「生涯学習プラットフォーム(仮称)」の構築に向けて議論されている中身についてさらに詳しくお話しいただいたところです。

【研修2】(講義)
「社会教育・生涯学習行政と職場におけるリーダーシップ」
〜社会教育における人材育成〜
講師 前 古賀市教育委員会 生涯学習推進課 課長    
現 久山町立久原小学校 校長 安部 正俊 氏 

 午前中の岸本課長の流れを踏まえ、安部校長先生からは、現場における人材育成について、御自身の経験を踏まえながら、お話しいただきました。安部校長先生は、県内でも数少ない国・県・市町村の社会教育・生涯学習行政の現場すべてを経験されており、そこでの出会いや学びを基にして、たくさんの御示唆をいただきました。「連携の中心で核となる人物に必要な視点や考え方とは」といった切り口で、これまで実践されたことをお話しいただいたり、「人を育てたら財産として地域に残る」『リーダーに必要なものは「誠実な人柄」』等の名言にふれたりしながら、社会教育の本質を語っていただきました。また、昨年まで在籍された古賀市の取組をもとに、学習の成果を活かす、「学びのスパイラル」や「学びの循環」モデルについて説明していただきました。

【研修3】(協議)
「市町村における社会教育・生涯学習行政に大切な視点とは」
進行 県立社会教育総合センター 研修・情報室 社会教育主事 
 
 一日の学びを締めくくる協議では、参加者の方が本日の学びや、これまで日々の業務を進めていく中で感じていたことなどを自由に話し合える場を提供できるようにと企画しました。最初に、同じグループのメンバーと名刺交換をしていただき、アイスブレイクを行いました。その後、協議のルールを確認し、テーマに関わる情報提供と質問を投げかけました。協議の手法は「ワールドカフェ」+「オープン・スペース・テクノロジー」方式です。写真にあるように、対話をしながらテーブルの模造紙に書き込みを行い、途中3度の移動を行いながら協議を広げていきました。研修日程の都合上、少し時間不足は否めませんが、皆さんとても好印象で協議に参加いただけたようです。
 
 参加者の声
【研修1】(講義)
「生涯学習による可能性の拡大、自己実現及び社会貢献・地域課題解決に向けた環境整備に関する
中央教育審議会答申について」

新しい国の情報を聞けて良かった。
生涯学習実施機関のネットワークが大事である。ICTでプラットフォームを構築することも将来的には進めていきたい。
将来的にビッグデータの活用。教育の情報化が期待できること。
今後、学習活動履歴を記録していくようになるという(キャリアパスポート)ことを聞いていたが、その経緯がよくわかった。
検定試験を学校教育に活かしていくことの必要性を感じることができた。
中教審答申のポイントが理解できた。
国の情報、動向を(再)認識できた。
【研修2】(講義)
「社会教育・生涯学習行政と職場におけるリーダーシップ」 〜社会教育における人材育成〜

学びの循環からスパイラルにもっていけば“力”になるとあらためて考えました。
リーダーとして、連携・協働を進める上でのノウハウを学ぶことができました。「人を育てたら財産として地域に残る」『リーダーに必要なものは「誠実な人柄」と「逆境に負けない・・・」』という言葉。
「判断力の差は情報の差」個人の力だけではなく、ネットワークの力も重要だと再認識しました。
経験をもとに語られていたので大変参考になった。
教員、行政職員などその時々の立場の感想を聞けたのがよかったです。ありがとうございました。
善意のすり合わせということが印象に残った。自分は正しいことをやっているという感覚も必要だが、違う感覚をもって相手の立場を考えた行動をとっていきたい。
実体験豊富な講話で、大変参考になりました。
いい企画は何年も続きます。しかし、新しい事業を起こすと簡単には進みません。その苦労を乗り越えていった安部先生の実践力に共感しました。生涯学習と社会教育の違いがよくわかりました。
新任校長として、お忙しい中ありがとうございました。「生範語録」よいことを教わりました。
たくさんの素敵な言葉をいただきました。
【研修3】(協議)
「市町村における社会教育・生涯学習行政に大切な視点とは」

様々な市町村、役職で話し合い、いろいろな意見を聞けた。
地域ごとの状況や課題と思っていることの共有ができた。
同じような立場の方の意見を伺うことができ、頭の整理になったり、考えるヒントを得たり、有意義だった。
「社会教育」とは、何をすべきか、何をしなければならないのか、他部署でもしていることはあるのに。自分の中のもやもやが少し解消した。(話し合いの中で)「社会教育」にとらわれることはないということ本当に良かったです。
各市町村の現状がわかり、参考となった。様々な意見交換ができてよかったです。
他市町村の抱える共通課題が明確に共有できた。
多くの仲間がいることに元気づけられた。
他の市町村の状況など聞けたので、この「つながり」を大切にしたいと思います。
日頃思っていること、考えていることを出せてよかった。
会全体を通じてのあなたの満足度は(期日や日程を含めて)。
交流の時間がもう少しほしかったが、多くの方と交流(名刺交換)ができたことは、有意義であり、大きな土産になりました。
今後の生涯学習事業に活かせそうです。
新しい気づきがありました。(解決には遠いですが)
自己啓発においてもすごく良かったです。
「研修3」自分の疑問を同じ課題を持つ人と交流できたことは非常に良かったです。ありがとうございました。
はじめてきましたが、とてもよかったです。
社教総合センターの存在意義は大きいと思いました。
他市町の現状や事業の在り方、考え方が聞けて良かったと思います。
お世話になりました。参考になりました。