期 日 平成28年8月24日(金) 9:50〜16:00 |
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参加者 59名 |
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事業内容 |
まちづくりや人材育成に関わり、地域における社会参加活動を促進させるため、ファシリテーターやコーディネーターとして地域との関わりを積極的に持ち、よりよい人間関係を築くためのコミュニケーション能力を育成する。 |
内容の実際 |
【説明】「まちづくり・人づくりを担う人材育成研修について」
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説明者 福岡県立社会教育総合センター 研修・情報室 古賀 千絵 |
本講座は、前回6月に開催しました「ファシリテーション力育成講座」(第1弾)に引き続き、まちづくり・人づくりを担う人材育成研修の第2弾として位置付け、人材育成に関わる内容の理解促進と、技能の習得を目指しております。
現代は、超高齢社会、人口減少となっており、これらが大きな課題となっています。このような自治体の現状と国の政策である「地方創生」をふまえて、本年度センターでは、地域が持つ本来の教育力によって、地域を活性化させて地域課題を解決し、地域で中心となって活躍する人材を育てることを目的として「まちづくり・人づくりを担う研修」を立ち上げました。
この後は、10月13日に「まちづくりに活かす企画力育成講座」(第3弾)の開催を予定しています。これら3つの研修を通して、人間関係力や会議運営能力の技能向上の一助となることを目指しています。
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【研修1】(講義・演習)「人と人をつなぐコーチング理論の基礎とコーチの役割」
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講師 福岡教育大学教職大学院
特任教授 金子 辰美 氏 |
研修1では、金子先生より、コーチングが求められる背景やコーチングによるコミュニケーションのよさについてお話いただきました。さらに、参加者には、グループ演習を通して積極的な聞き方のよさを実感していただいたり、明日からできるコーチングについて考えていただいたりしました。
コーチングとは、相手の自発的な行動を促すコミュニケーションスキル(技術)といわれています。実際に対話を行うときに、指示・命令型から質問提案型へ変えることによって、双方向のコミュニケーションが取れ、上司と部下の関係においては部下の力を引き出すことができます。またさらに、コミュニケーションが深まることで、チームワークの強化につながります。基本的な技法としては、「聞く」→「承認する」→「質問する」これの繰り返しとなります。さらに、効果を高める工夫として、「聞く」場面においては、聞き方として、柔らかな視線、うなずく、相手の言葉を繰り返す等を行います。また、「承認」場面においては、「すてきですね」「ありがとう」「あなたのおかげで」等、相手の意欲を育てる合いの手を入れて、相手のモチベーションを高めることが効果的です。
これらについて、参加者に実際にコミュニケーションのマイナス体験、プラス体験を体験していただき、聞き方で人間関係が変わることを実感していただきました。
コーチングの基本プロセスとしては、「基本を知り、自分のよさや持ち味を生かしたスキル高めること」であり、今回の幅広い参加者(行政関係者、NPO、学校関係者)に向けて、わかりやすく、様々なグループワークを盛り込みながらお話しいただきました。
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【研修2】(講義・演習)「アンガーマネジメントを学ぼう」
〜怒りとの感情と上手に付き合う、より良い人間関係づくり〜
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講師 福岡県教育庁教育企画部社会教育課社会教育班
社会教育主事 石津 峰 氏 |
研修2では、石津社会教育主事からアンガーマネジメントの定義や目的、さらには、怒りをコントロールする技法等についてお話と演習と行っていただきました。
まず初めに、アンガーマネジメントは、「アンガー」→怒り、「マネジメント」→後悔しないことであり、怒らないことではない。そして、怒る必要があることは上手に怒り、怒る必要がないことは怒らないようになるとのことでした。このアンガーマネジメントができるようになると、後悔せず、上手に表現できるようになります。
アンガーマネジメントには3つのポイントがあります。
ポイント@ 衝動のコントロール:一般的に怒りの感情のピークは6秒間と言われています。この6秒間に怒りの温度(点数)をはかり、怒るものか、怒らないものかを判断します。また、この6秒間にイライラしていることを手のひらに指で書くのも、心を鎮める方法の一つです。
ポイントA 思考のコントロール:私たちを怒らせるものの正体として「べき」という自分の願望、希望、欲求を象徴する言葉があります。この「べき」は、人によって違うことを改めて認識し、怒るか否かを考えます。
ポイントB 行動のコントロール:変えることが可能であるか、不可能であるか、さらに重要であるか、重要でないかを判断します。
これらの3つのポイントをもとに怒るべきか、その必要がないか決めます。
さらに、上手な怒り方として、「感情的にならない」、「タイミングをはかる」、「NGワードに気を付ける」、また、ダメな怒り方として「機嫌で怒る」、「過去を引っ張り出す」、「原因を追究する」、「強い表現を使う」があげられます。
日常の事例をあげながらご説明いただいたので、参加者も大きくうなずきながら、話に聞き入っていました。
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【研修3】(講義・演習)「アサーションを学ぼう」
〜自分も相手も大切にする人間関係づくり〜
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講師 福岡県立大学大学院
非常勤講師 田中 克江 氏 |
研修3では、田中先生からアサーションが近年取り上げられはじめられることになった社会的背景やアサーションの考え方、目的、そして、技術についてお話と演習と行っていただきました。
アサーションは、相手の気持ちや権利を考えながら、自分の気持ちや権利を相手に受け入れてもらう自己主張のコミュニケーションの方法です。けして、相手を変えようとしたり操作しようとしたり、自分の欲求を押し通そうとしたりするものではありません。アサーションを学ぶことによって、お互いに大切にしながら素直にコミュニケーションする方法を知り、人間関係をより深く意味あるものに、あるいは生き方をもっと積極的なものにしていくきっかけになるものです。
日本的なアサーション技術として6つ示されました。
@傾聴する、A共感する、B評価しないで相手を認める、C「Yes,but」が聞く耳をもたせるIメッセージ(私はこう思う)で。D相手を認めると、自分も認めてもらえる、E「私の意見はこうですが、現状維持を尊重します」治療的二重拘束
これらの技法を使いながら、コミュニケーションを取り、人間関係を作っていくことが大切です。
また、演習では、「私の信条」でそれぞれの考え方を「当てはまる〜当てはまらない」を5段階評価で表し、グループで交流していただきました。その際、参加者には、相手の意見をしっかり聞きながらも、Iメッセージ(私はこう思う)を伝えていただきました。
最後に、アサーションの4つのステップDESC法や「Yes, but」法が紹介され、さらに、相手に依頼・要求するときのポイント、「ノー」と言う時のポイント、批判を受ける時のポイントを示されました。
参加者は、配布された資料を熱心に見ながら、先生のお話を聞いたり、アサーショントレーニングを行ったりしていました。
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参加者の声 |
【研修1】(講義・演習)
「人と人をつなぐコーチング理論の基礎とコーチの役割」について
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聴き方の実験は大変面白かったです。当たり前のように皆やっている相槌その他のしぐさのありがたさ、また、できていると思いきや意識してみるとできていない部分もわかりました。 |
講義がとても楽しく勉強になった。コーチング、ティーチング、カウンセリングの違いなど分かりやすかった。仕事で指導助言をしなければならない。今回学んだことを仕事に活かしていきたい。 |
聞く、話す、そのときの態度や方法など、基本的なことだが、改めて重要なことだと感じました。“一言、二言、数文字、数行の言葉の使い方が大事“これが、一番印象に残りました |
コーチ(相手)と話すことで、自分の夢へのステップがより明確になった。 |
「答えは相手の中にある」といった言葉に何か気づかされました。コーチングによって、相手が自己肯定感をどれだけ持てるか体感できました。この感覚が他の方に伝えられるよう、相手の話を聴くことから始めようと思います。 |
相手の話を引き出すコーチングの手法を演習を通じて学べてよかった。今までの自分の態度を見直すきっかけになりました。もっと身につけたいです。 |
【研修2】(講義・演習)
「アンガーマネジメントを学ぼう」
〜怒りとの感情と上手に付き合う、より良い人間関係づくり〜について
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