事業報告
 平成29年度
市町村社会教育委員新任者研修会
 
 期 日  平成29年10月3日(木)  10:10〜16:10
 参加者   73名
 事業内容
 新たに委嘱された市町村の社会教育委員等を対象に、社会教育委員の役割や当面する社会教育の課題等についての研修を行い、生涯学習社会の実現に向けた社会教育活動の推進を図る。 
 内容の実際

【講演】「社会教育委員の目的と役割について」
 講師: 九州共立大学名誉教授   古市 勝也  氏
 
 社会教育委員の目的と役割を中心に、現在の社会教育委員の現状と法律の2つの視点からお話ししていただきました。市町村社会教育委員の活動に関する実態調査から、「役割と活動について」現状で十分でないと64.9%が答えており、「社会教育委員として何をすればよいのか役割がよく分かっていない」という現状と、その解決に向けた方向性についてもお話していただきました。社会教育法の改正を踏まえて、今なぜ、社会教育委員の役割が重要なのかについては、これからの地域コミュニティー創出の要としての役割が期待されており、一億総活躍社会と地方創生の推進のために重要である、という方向性を示していただきました。「社会教育委員は法的に位置づけられている重要な役割であり、選ばれた者の責任を全うしていかなければならない」と、熱意をもって参加者にメッセージを伝えていただきました。


 参加者の感想
社会教育委員としての役割が理解できたし、また、責任の重さも感じました。更には、社会教育に対する提言が考えられるだけの力量をつける必要性を自覚した内容で有意義でした。
行政・学校・地域との連携の大切さや社会教育法の内容が詳しく知れることができてよかったです。
地域の声を行政に届ける役割である。市のマスタープランを見て、行政と信頼関係を結びながら取り組んでいく。自分の地域をよくしたいと考え行動していきます。 
委嘱されたばかりなので、大変勉強になりました。委員として広範囲な立場で社会教育を考えて行かなければならない責任を感じました。
 
【実践発表】
 実践発表「社会教育委員としての実践活動」
  ○テーマ「家庭(地域・学校)で取り組む子どもの生活習慣づくり」
 
発表者: 宇美町社会教育委員 福田 雅子  氏
古賀 ひろ子 氏

 宇美町全体で推進している「あいさつ運動」や「街頭啓発活動」について、社会教育委員として、どのようにかかわっていったのかについて具体的にお話ししていただきました。子どもの生活習慣に関するアンケート調査をもとに、課題を「あいさつについて」「地域とのかかわりについて」「携帯電話について」の3つに焦点化しながら、解決に向けた取組についてお話していただきました。さらに、学校や家庭と連携した「コミュニティースクール」の取組については、地域の方や保護者とつながるため、合同防災訓練や合唱コンクールなどの行事に積極的に参加している実践をお話され、参加者が熱心に聞き入る姿が見られました。

  ○テーマ「岡垣町社会教育委員と岡垣町青少年健全育成町民会議との連携について」
         〜岡垣町通学合宿「夢の体験塾」の取組〜
 
発表者: 岡垣町社会教育委員 吉田 和彦 氏
岡垣町青少年健全育成町民会議事務局長 田中 文雄 氏

 岡垣町で20年続く「通学合宿〜夢の体験塾〜」の取組についての発表がありました。「地域の子は地域で育てる」をテーマに始まった通学合宿のこれまでの歴史や、取組の概要などについて説明をしていただきました。町内の5つの小学校から参加者を募り、6泊7日の合宿を円滑に行うため、実行委員や事務局員、塾長を中心にしっかりと連携しながら、取組を進めてありました。これまでの参加者がのべ2,080名、そして合宿を支援する方々がのべ3,490名と町全体で支援してきていることに、参加者からも驚きと共感の意見が多く寄せられました。特に、塾長を中心にしたスタッフの支援体制について多くの質問が寄せられるなど、参加者の興味を引きつける発表内容でした。

 参加者の感想
岡垣町の実践のすごさを学んだ。特に何故20年間も続いているのか、継続力のすごさ、地域全体を巻き込むすごさを感じました。
すばらしい発表でした。自分の町と同じような活動であっても、違ったやり方を行っているのを知れたることができたのでよかったです。
子どもの生活習慣づくりを「あいさつ」と「携帯電話」を柱にとりくまれていて、参考になりました。岡垣町の「夢の体験塾」は素晴らしい取組で大人の「地域の子どもは地域で育てよう」という強い気持ちを学ばせていただきました。ありがとうございました。
近い地域の取組を聞け、なるほど!と思うことがあった。どの社会教育委員さんも熱意をもって活動されていると思いました。
 
【グループ協議】 「社会教育委員として求められる役割について考える」

 県内の他市町村の取組の情報交換と、社会教育委員としての視点や役割を再確認し、地域に戻って実践できそうなことをもって帰る、という2つを目的に「KJ法」を使ってグループ協議を行いました。経験年数を積まれた参加者の方が、ご自分の経験から様々な課題や解決策等を積極的に話され、グループ内のメンバーもうなずきながら聞く姿が見られました。課題解決に向けたいろいろなアイデアを出し合う様子がいくつものグループで見られ、活発な交流になりました。これからの社会教育委員に期待される、「社会教育委員としての専門性」と「実践力」の向上をめざし、明日からがんばっていくことを全体で確認することができました。
   
 参加者の感想
他地区の活動や問題点などを聴き参考になりました。今後の取組について、色々考えるキッカケになりました。
腹の底から話し合え楽しかったです。時間が短く感じました。自分の状態を意識することができ、明日から何をしたらいいのかが明確になりました。
ざっくばらんに話ができて、本当に楽しいグループ討議でした。前向きになれました。交流で情報が得られてよかったです。地区によって大きく実態が違うことが分かりました。
各市町村で悩みがあり、自分の町とは違う活動をされていることを学びました。他の自治体の職員との協議により、自分が取り組まなければならない課題が明確となりました。
他の市町村の方と関係を深めることができた。各市町村で、社会教育委員との関わり方が異なっていて、勉強になりました。行政職員として皆さん課題としていることは、似ているのだと安心できました。
 研修会全体を通して
社会教育委員とは何ぞや!?と不安だらけでしたが、色々なお話を聞いてやれる事をやればいいのかと思い安心しました。
グループ討議が有意義でした。何もわからず参加するので、不安でしたが、課題が一緒だったことで、自分が何をすべきか、少しわかった気がします。
改めて「社会教育」について学ぶことがありました。「社会教育委員」や「社会教育法」について新たなことを知ることができてよかったです。社会教育委員の方々との交流が図れる機会が、もっとあればなおよかったと思います。
社会教育委員も社会教育関係行政職員も専門性が求められる点で共通しているなと思いました。