上伊良原神楽
【かみいらはらかぐら】

楽器・道具等の特徴
 楽器は太鼓、横笛、とんびし(すり鉦)の三種からなる。特に太鼓には「奉寄進 伊良原村字中村奉楽社 氏子中 明治廿九年十一月 日」の刻銘があり、神楽講の発足に伴う調達品とみられる。また、道具は毎年作る採物と衣裳を除くと、面・冠・大刀・扇などがある。多くは市販のものであつらえているが、面のみは創始期からのものが引きつがれている。習得時に古面を譲られた(又は購入)ものとみえ、このうち一面に「天保 年(1830年代)」の記銘がある。

禁忌についての言い伝え
 「舞人は男子のみ」という慣しがあるが、明確な理由づけを語る創始説話などは伝わっていない。伝授先の慣しや当時一般的であった「神事(しんじ・かみごと)は女は関われん」という習俗が神楽にも適用されたもののようである。また、舞人の身内に、その年葬儀・出産のあったものを「ヒガカリ」といい、かつては「神様が嫌う」とのことで、原則参加を自粛するようにしていたが、現在はお祓いを受けて参加する等、厳格な適用を問わなくなってきている。

その他
 祭礼、行事における位置付けは、「夜市神楽」の名があるとおり、祭礼を賑わせるための芸能と考えられている。演目の中でも綱御先は、鬼の客席乱入や菓子まきなどで人気が高い。








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