(平成23年度)
  5.ひこさんチャレンジキャンプ
○ 期 日
 平成23年8月7日(日)〜11日(木) 4泊5日

○ 参加者
 29名

○ 事業目的及び内容
 「ひこさんチャレンジキャンプ」は、自然豊かな英彦山のフィールドを舞台に自然体験や野外活動等をとおして、何事もあきらめずに意欲的に取り組む子ども、主体的に仲間と協力できる子どもを育成することを目的に行いました。
《8月7日(1日目) 〜出会いの日〜》
 5日間を一緒に過ごす仲間やスタッフたちとの出会い、初めのうちは子どもたちの表情も少々緊張気味でした。しかし、蛇渕キャンプ場を流れる祓(はらい)川での沢登りや滝つぼ飛び込み、野外でのカレー作りなど、仲間と一緒に楽しく活動する中で徐々に緊張もほぐれてきました。
夜は、それぞれのグループに分かれて旗作りを行いました。旗には、みんなで話し合って決めたデザインとともに班の目標も書き込みました。旗作りの活動をとおして、仲間意識も芽生えてきました。
出会いのつどいの様子 沢遊びの様子
野外調理でカレーライスを作りました! 旗作りの様子

《8月8日(2日目) 〜助け合いの日〜》
 午前中は祓(はらい)川でニジマス釣りをしました。釣りの経験がない子が多く、初めは餌をつけるのにも一苦労でしたが、仲間同士で教え合い協力し合って、みんなでたくさんのニジマスを釣り上げました。
午後は、蛇渕キャンプ場から英彦山青年の家まで歩く10kmウォークにチャレンジしました。約3時間半の長い道程でしたが、1人の脱落者も出ずに全員が無事踏破しました。青年の家に着いた時には大きな歓声が上がりました。きつい思いをしただけにゴールした喜びもひとしおだったようです。
ニジマス釣りの様子 ニジマスが釣れたよ!
10kmウォークの様子 ゴールの青年の家に到着!

《8月9日(3日目) 〜絆を深める日〜》
 3日目は、ひこさんフィールドアドベンチャーにチャレンジしました。ひこさんフィールドアドベンチャーは、班の仲間と協力してさまざまな課題の解決をめざすプログラムです。シーソーの上で班のみんなでバランスを取るジャイアントシーソーや、みんなで協力して落ちないように丸太を渡っていく丸太渡りなど全部で8つの課題にチャレンジしました。課題を解決するためには班のみんなで話し合って作戦を立てなければなりません。中には、意見が食い違ってケンカになりそうになった班もありましたが、みんなで協力して課題をクリアした際にはとび上がって喜ぶ姿が見られました。このプログラムをとおして仲間同士の絆をさらに深めることができました。
うまくバランスがとれるかな!?
(ジャイアントシーソー)
ターザンロープに挑戦中!
丸太渡りに成功しました! みんなで協力して火をおこそう!

《8月10日(4日目) 〜感謝する日〜》
 4日目は早朝登山をしました。真夜中の午前2時に青年の家を出発し、真っ暗な山道を懐中電灯の明かりを頼りに歩いていきました。途中、険しい山道もありましたが、みんなで「頑張るぞー!」と声を掛け合い励まし合って登り、全員無事に登頂を果たしました。山頂では霧がかかっていて、残念ながら日の出を見ることはできませんでしたが、みんなで協力して登山を成功させたことで大きな達成感を得られるとともに、仲間の存在のありがたさを感じることができました。
 夜はキャンプファイヤーをしました。各班ごとに準備しておいた出し物を披露し合い、みんなで大笑いするなどとても盛り上がりました。仲間と過ごす最後の夜、楽しい一時を過ごしました。
早朝登山へ出発!でもまだちょっと寝むそう。 英彦山中岳山頂で記念撮影!
キャンプ最後の夕食は鶏の丸焼きに挑戦します! キャンプファイヤーの様子

《8月11日(5日目) 〜別れの日〜》
 最終日、みんなでピザ作りをしました。生地から作る本格的なピザ作りです。「おいしくな〜れ!」と心の中で念じながらしっかりしっかり生地をこねていきました。初めてピザ作りを経験する子も多く、生地をこねる力作業に苦戦していましたが、仲間と協力して1つのものを作り上げる喜びも同時に感じることができたようです。
できあがったピザを囲んで、保護者の方々とともに「お別れピザパーティー」をしました。どの班も、手作りのおいしいピザを口に運びながら、5日間の思い出話に花が咲いていました。最後に、5日間の思い出をつづった作文を1人1人順々に読んでいきました。作文を読み終えるごとに、温かい拍手を送り、互いの頑張りを讃え合いました。
 
しっかりこねてピザ生地を作ろう! お別れピザパーティーの様子
保護者の方の前での作文発表 別れのつどいの様子
 
○ 参加者の声
 ・チャレンジキャンプに参加するのは初めてだったのでとても緊張して1日目はあまり眠れませんでした。でも、だんだん慣れてきて緊張がふきとんで、いろいろなことにチャレンジしようという気持ちになりました。とくに一番がんばったのは、10kmウォークです。がんばって脱落せずに最後まできちんと歩けました。

 ・一番思い出に残った活動は、ひこさんフィールドアドベンチャーです。班全員で協力して、助け合いながら全部クリアしたのでよかったです。中でも、丸太渡りは、みんなで話し合ってクリアしたのでうれしかったです。

 ・チャレンジキャンプで私が一番がんばったことは4日目にあった早朝登山です。途中でだんだん足が痛くなってきました。一番つらかったのは神社の階段でした。わたしは着いた後にこう思いました。「友達がいたから登れた。友達がはげましてくれたからがんばれた。」

 ・チャレンジキャンプで一番心に残ったのは、早朝登山です。懐中電灯を持って暗い山道を歩いていきました。ときどきすぐ横にがけがあったのでこわかったです。ずっと歩いて頂上に着いたときはとてもうれしかったです。頂上では朝日が見れなくて残念だったけど、みんな大けがなどしなくて安全に登れたからよかったです。

 ・ぼくがチャレンジキャンプでチャレンジしたことは、滝の上から飛び込んだことや早朝登山でがんばって山に登ったことです。10kmウォークも一生懸命歩いて疲れたけど楽しかったです。これからチャレンジしたいことは、来年も、ひこさんチャレンジキャンプに参加して、いっぱい友達をつくったり、いろんなことにチャレンジしていきたいです。

 ・ひこさんチャレンジキャンプを終え、これからチャレンジしていきたいことは、今までできなかったことや、こわくてできなかったことを勇気を出してやって、できなくても最後まであきらめずにやってみようと思いました。この5日間のやったことや班の友達を忘れずに過ごしていきたいです。

○ 全体をとおして
 今回の「ひこさんチャレンジキャンプ」では、困難なことにも積極的にチャレンジする意欲を育てることを第一の目的として企画しました。10kmウォークや早朝登山は、子どもたちにとって体力的にきついプログラムでしたが、1人の脱落者も出ず、10kmウォーク、早朝登山ともに、全員が最後までやり遂げることができました。
子どもたちの感想文にもみられるように、やり遂げた喜びはとても大きかったようです。また、10kmウォークや早朝登山では、きつい時に互いに「がんばろう!」と声を掛け合い、励まし合いながらゴールに向け頑張る姿がみられました。祓(はらい)川での沢遊びでも、高い崖から滝つぼに飛び込む友達の姿を見て、最初は怖がっていたけれど勇気を出して挑戦する子どもたちがたくさんいました。仲間からの励ましの言葉や仲間の存在が困難を乗り越える大きな力となっていることをつくづく感じました。
キャンプ初日に初めて出会った仲間とも、フィールドアドベンチャーやキャンプファイヤー、野外調理など一つ一つの活動をこなすたびに、仲を深めていくことができました。子どもたちは、今回のキャンプをとおして、協力することの大切さとともに、友達をつくる喜びも味わうことができたのではないかと思います。
最終日に一人一人が書いたまとめの作文では、「今まであきらめていたことにチャレンジしたい」「たくさん友達をつくりたい」などの記述が見られました。苦手なことにチャレンジしたり、積極的に友達と関わったりする意欲をもたせることができたことも、本事業の大きな成果ではないかと考えます。