事業の報告 平成27年度
  5.ひこさんチャレンジキャンプ
ねらい
自然豊かな英彦山のフィールドを舞台に、集団生活や体験活動をとおして、思いやりの心や学ぶ意欲、規範意識を育むとともに、
コミュニケーション能力の基礎を培う。
最後まであきらめずに、何事にもチャレンジしようとする精神の育成を図る。

期 日  平成27年9月21日(月)~23日(水) 2泊3日

参加者 29名(小学4年生~中学3年生)

プログラム
1日目
【9月21日(月)】

 時  間 内 容 及 び 活 動 内 容 
14:30~15:30 出会いのつどい・アイスブレーキング
15:30~16:00  テント設営にチャレンジ
16:00~19:00 野外調理① ~カレーライスづくりにチャレンジ!~
19:00~20:00 ドラム缶風呂体験、入浴
20:00~21:00 班旗づくりにチャレンジ
21:00~21:30 1日目のふりかえり

2日目
【9月22日(火)】

       
 時  間 内 容 及 び 活 動 内 容 
 6:00~7:00 起床・荷物整理
 7:00~9:00  野外調理② ~ホットサンド・弁当づくりにチャレンジ!~
 9:00~16:00 英彦山縦走登山にチャレンジ
(青年の家→北岳→中岳→南岳→中岳→北西尾根→青年の家)
16:00~19:00 入浴・夕食
19:00~21:00 キャンプファイヤー
21:00~21:30 2日目のふりかえり

        
3日目
【9月23日(水)】

       
 時  間 内 容 及 び 活 動 内 容 
 6:00~7:00 起床・荷物整理・テント片づけ
 7:00~8:30  野外調理③ ~バンブーエッグづくりにチャレンジ~
 8:30~10:00 火おこしにチャレンジ
10:00~13:00 野外調理④ ~ピザづくりにチャレンジ~
13:00~13:30 スライドショー・3日間のふりかえり
13:30~14:00 別れのつどい

活動の実際

 1日目 【9月21日(月)】
【出会いのつどい・アイスブレーキング】
  キャンプ初日、子どもたちは緊張した表情でやってきました。受付を済ませ、これから始まるキャンプに期待と不安で胸いっぱいの様子でした。自分たちの班の学生ボランティアが紹介され、それぞれからあいさつがあると、子どもたちは少し緊張がほぐれ笑顔になりました。次に子どもたちとの親睦を深めるため、ネームトスやフライングペーパーなどのアイスブレーキングをとおして、子どもたちは、学生ボランティアやスタッフと仲良くなることができました。


↑どんなお姉さんかな?楽しみだな! ↑心を一つにして、うまくできるかな?


【テント設営にチャレンジ】
 宿泊は、体育館でのテント泊でした。初めてテントで泊まる子どももいて、わくわくドキドキの様子でしたが、学生ボランティアを中心に、骨組みやシュラフづくりなどを班で協力してテント設営をすることができました。
↑はじめてのテント泊楽しみだな!! ↑テントの完成です!! 

【野外調理① カレーライスづくりにチャレンジ!】
 1日目の夕食は、カレーライスをつくりました。はじめにスタッフから、鉈や包丁の使い方、火傷に注意することの安全指導を行いました。その後、各班で火をおこしたり、食材を切ったりするなどの分担を決め、子どもたちはきちんとその役割を果たしました。また子どもたちの中には、進んでいない仕事を手伝う姿も見え、協力することの大切さを学ぶことができました。
↑皮むきうまくできるかな?  ↑おいしいカレーライスができました!!

【班旗づくりにチャレンジ】
 入浴後、夜の活動は班の仲間意識や目標をもたせるため、班旗づくりをしました。旗にはみんなで話し合って決めたデザインと、旗の中心に目標となる言葉を書き込みました。子どもたちは旗をつくることで、仲間づくりを意識するようになりました。
↑どんな目標を書こうかな? ↑みんなで「協力」しようね!

2日目【9月22日(火)】 
【野外調理② ホットサンド・弁当づくりにチャレンジ!】 
  2日目の朝食はホットサンドをつくりました。ホットサンドづくりは家庭でも調理器具を使わず、手軽に作ることができる調理として、子どもたちに実習してもらう目的で行いました。
子どもたちはスタッフの説明を聞いて、食パンに具材をのせアルミホイルで包み、焼きあがったサンドを美味しくいただいていました。また、登山に持っていく弁当づくりも行いました。
 
↑具材をたくさんのせておいしくなーれ! ↑おにぎり上手につくるぞ!

【英彦山縦走登山にチャレンジ】
 朝食後、キャンプ最大のイベントである英彦山縦走登山にチャレンジしました。この登山は、小学生の宿泊学習では体験できない困難克服体験の一つの活動として取り入れました。子どもたちは、つどいの広場に集合し、登山についての説明を聞き、各班で写真を撮ってから出発しました。途中大きな石がある山道やロープ、鉄鎖がある崖を登りました。また、きつそうな表情をしている仲間に「がんばろう!」「ファイト!」などと声を掛け合い、励まし合いながら登頂を果たしました。山頂で撮った写真は、やりきったという表情でいっぱいでした。帰りは北西尾根コースを通り、はしごを使ったり、ロープづたいに急坂を下りたりと険しい道を懸命に歩きました。青年の家に帰着した時は、子どもたちは達成感で満ち溢れていました。登山をとおして、何事にもあきらめずにやりとげるチャレンジ精神や仲間を思いやる大切さを学ぶことができました。 

     ↑険しい山道を登りました!! ↑中岳山頂でハイ!チーズ!
 ↑南岳山頂でハイ!チーズ! ↑北西尾根をロープを使って下山中!! 

 
【キャンプファイヤー】
 夜の活動はキャンプファイヤーを行いました。少し肌寒い中、みんなで火を囲み、火のありがたさを伝える儀式を行ったり、各班で準備したクイズや歌などの出し物を披露したりしました。このキャンプファイヤーとおして、子どもたちの交流が更に深まりました。
 

     ↑火を囲んで誓いの言葉を読みます ↑次はどんなクイズを出そうかな? 

 
3日目【9月23日(水)】 
【荷物整理・テント片づけ】
 3日目、子どもたちは起床後、すぐに毛布やシュラフ、テントの片づけを行いました。このキャンプでは「自分のことは自分でする」こともめあてとしてあげており、学生ボランティアの支援を受けながら、自分たちで片づけを行うことができました。
 

     ↑手伝ってくれてありがとう!! ↑自分でできるようになりました! 

 
【野外調理③ バンブーエッグづくりにチャレンジ!】
 片づけ終了後、子どもたちは班ごとにバンブーエッグをつくりました。ほとんどの子どもたちが初めての体験で、竹の中に卵を入れ、水加減することに苦労していました。その後火にかけ、できあがった目玉焼きを美味しそうに食べていました。
 

     ↑上手に卵を入れることができました!! ↑目玉焼き、おいしいよ!!

 
【火おこしにチャレンジ】
 午前中の活動では、子どもたちは火おこし体験を行いました。この活動は困難克服体験の一つとして、最後まであきらめずに何事もやり遂げることを目的としました。説明を聞いた後、班ごとに舞いきり式火おこし器を使って火おこしにチャレンジしました。火をおこす際には、器具を使ったり、火床を押さえたり、「がんばれ!」と声をかけたりする等、子どもたちで役割を決めました。煙がたち、火種ができると、「わー!」と盛り上がりました。この活動を通して、子どもたちが一つにまとまっていく姿が見られました。また、キャンプファイヤーで学んだ火のありがたさも感じることができました。
 

     ↑火おこし、奮闘中!! ↑やった!火がついたよ!!

 
【野外調理④ ピザづくりにチャレンジ】
 キャンプ最後の活動は、子どもたちが楽しみにしていたピザづくりでした。子どもたちは協力し合い、それぞれの役割を責任をもって行うことができました。粉からつくった生地を自分の好きな形に整えたり、具材をトッピングしたりして美味しいピザをつくることができました。 

     ↑上手に生地をつくっています ↑おいしいピザの完成です!

 
【別れのつどい】
 3日間一緒に過ごした学生ボランティアや仲間といよいよお別れです。この3日間、子どもたちは班の仲間とともに過ごした日々を振り返りました。はじめにスライドショーを見て、子どもたちは活動を思い起こしました。つぎに学生ボランティアの司会のもと、各班でキャンプをとおしてがんばったことや楽しかったことを一人一人発表し合い、互いの努力を称え合いました。きついことを乗り越え、充実したキャンプを過ごした子どもたちの表情は清々しいものでした。
 

     ↑すばらしい思い出ができました!

 
全体をとおして

 このキャンプでは、「自分からすすんで行動しよう!」「班の友だちと助け合おう!」「自分の役割を考えて行動しよう!」と三つの目標を立てました。
 子どもたちは、英彦山登山や火おこし体験のような困難克服体験をとおして、チャレンジ精神や最後まであきらめずにやり抜く姿が見えました。また、テント設営や野外調理等の活動をとおして、お互いのよさを認め合ったり、初めて出会う友だちと協力したりする姿も見えました。どの子どもたちの感想からも、本事業に満足している様子が伺えました。
 福岡県では、子どもが抱える本質的な課題を、「学ぶ意欲の低下」「自尊感情の低下」「規範意識の低下」「体力等の低下」として掲げており、当施設でも、この課題の解決に向けて、今後も実体験を重視したプログラムに取り組んでいきたいと思います。