事業の報告 平成27年度
  8.わくわくキャンプ
ねらい
 聴覚に障害のある子どもたちを対象に、必要な情報を伝えながら体験活動の機会を提供することで、目的意識をもって主体的に取り組もうとする自主性や他者と積極的にコミュニケーションを図ろうとする社会性の育成を図る。
期 日  平成27年12月25日(金)~ 27日(日)

参加者 12名(小学1年生~中学2年生)

プログラム
1日目
【12月25日(金)】

 時  間 内 容 及 び 活 動 内 容 
11:30~12:10 出会いのつどい
12:10~12:30  自己紹介をしよう!
13:30~16:30 活動1「夜須アドベンチャー!(フィールドビンゴ)」
19:40~20:30 活動2「ミニ門松としめ縄を作ろう!」

2日目
【12月26日(土)】

 時  間 内 容 及 び 活 動 内 容 
 8:30~ 9:00 バスでサンビレッジ茜へ移動
 9:30~11:30  活動3「人工芝スキーにチャレンジしよう!」①
12:00~12:30 昼食
13:00~14:00 活動3「人工芝スキーにチャレンジしよう!」②
15:30~16:30 バスで夜須高原青少年自然の家へ移動
19:00~20:30 活動4「月や星の話と凧作りを楽しもう!」

3日目
【12月27日(日)】

 時  間 内 容 及 び 活 動 内 容 
 9:00~11:00 活動5「もちつきと凧揚げをしよう!」
11:30~12:00  昼食
13:00~13:30 別れのつどい
        

活動の実際
1日目 (12月25日(金))
活動【出会いのつどい】
  出会いのつどいでは、これから2泊3日を共に過ごす仲間と知り合うために、自分たちの班の学生ボランティアが各自で手話を使って挨拶をしました。出会いのつどい終了後、同じ班の友だちをよく知り、今後の活動でコミュニケーションを上手にとれるように、班別に自己紹介を行いました。子どもたちは少しずつ緊張がほぐれて笑顔になり、班別の自己紹介の後、お互いの名前と好きな食べ物を伝え合い、コミュニケーションをとることができました。

↑学生ボランティアの自己紹介の様子 ↑班で自己紹介をし合う様子


【活動1 夜須アドベンチャー!(フィールドビンゴ)】
 昼食の後、夜須高原青少年自然の家周辺4kmのコースを使ってフィールドビンゴをしました。班で協力することできるように、途中のチェックポイントで写真を見つけたり、問題に答えたりする活動を仕組みました。活動の際、青年の家の職員をコースに配置し、安全管理を行いました。また、子どもたちの様子を観察するために学生ボランティアも参加させました。活動を通して、地図や写真をもとに友だちや学生ボランティアと相談してゴールを目指し、協力して取り組むことができました。
↑フィールドビンゴの説明 ↑地図を見てコースを確かめている様子
↑班のみんなで道順を教え合っている様子


【活動2 ミニ門松としめ縄を作ろう!】
 夕食後、自然の物を使ってお正月に因んだ作品を作るというねらいで、ミニ門松としめ縄作りを行いました。安全に作業を進められるように、学生ボランティアが子どもたちと一緒に参加しました。活動後の振返りでは、のこぎりの使い方や稲わらのひねり方を教え合うことができたことなど、積極的に活動することや協力することのよさを話し合わせました。
↑学生ボランティアに手伝ってもらいながら作品を作っている様子
↑完成したしめ縄とミニ門松

2日目 (12月26日(土))
【活動3 人工芝スキー体験をしよう!】
 朝食後、バスで飯塚市にあるサンビレッジ茜に移動して、日常ではあまり体験できないことにチャレンジし、最後までやり遂げる心を育むことをねらいとして、人工芝スキー体験を行いました。インストラクターから安全な滑り方の指導を受け、練習を重ねるうちに、転ばずに滑ることができるようになりました。活動の後半には、子どもたちをリフトに乗せ、上級者コースにチャレンジさせることができました。
↑インストラクターによる説明 ↑転ばないようにゆっくり滑る様子
↑リフトで頂上に向かう様子 ↑山頂から滑る練習をする様子



【活動4 月や星の話と凧作りを楽しもう!】
 夕食後、冬の星空の様子を知ることをねらいとして、月や星の話をしました。月の表面の様子を具体的に知ってもらうために、スクリーンに満月の模様を写し出しました。子どもたちは「かにに見えるね。」「女の人にも見えるよ。」と興味を持って話していました。次に、お正月ならではの遊びを体験させるために、凧作りをしました。簡単に作ることができるように凧の形の型紙を用意し、ビニールを凧の形に切らせました。凧の形ができた後、各自で絵や模様を描かせ、作品を完成させることができました。
↑写真を使った月の説明 ↑ハートの絵の凧を作っている様子


3日目 (12月27日(日))
【活動5 もちつきと凧揚げをしよう!】
  3日目の朝、友だちと協力してお正月の文化を体験させるねらいで、もちつきを行いました。手話を使ってもちをつくリズムをつかませたり、周りに人がいないかを確認させたりしながら活動をさせました。また、自分たちでついたもちをおいしく食べるために、お雑煮を作る活動を行いました。子どもたちは、「みんなで協力してついたおもちは、とてもおいしい」と笑顔で話し、協力して活動できたことを喜んでいました。また、もちつき終了後、自分で作った作品で楽しく遊ばせるために凧揚げを行い、学生ボランティアと一緒に、自分たちが作った凧を空に高く揚げることができました。

↑友だちとリズムに合わせてもちをついている様子
↑自分が作った凧を揚げている様子


【別れのつどい】
 別れのつどいでは、3日間の頑張りやできるようになったこと等を振り返らせるために、学生ボランティアが手話でメッセージを送りました。別れのつどいの後、玄関ロビーで友だちや学生ボランティアと「友だちになれてうれしかった」「また会おうね」と会話を交わし、心のつながりが生まれたことが伺えました。
↑学生ボランティアから子どもたちへのメッセージ


全体をとおして

 今回のキャンプでは、「自分から進んで活動しよう」と「友だちと協力してチャレンジしよう」というめあてを立てました。人工芝スキー体験やミニ門松・しめ縄作り等の物作り体験では、粘り強くチャレンジさせることにより、「自分の頑張りを生かすことができた」という達成感を味わわせることができました。また、フィールドビンゴやもちつきでは、相談し合ったり協力し合ったりする場面を仕組んだことにより、初めて出会った友だちや学生ボランティアと積極的にコミュニケーションを図ることができました。
 異年齢の友だちや学生ボランティアとの集団生活の中で、様々な活動をとおして、意欲を持って活動に取り組み、仲間との友情やボランティアとの交流を深めることができました。