事業の報告 平成28年度
  2.英彦山新緑登山・新緑トレッキング
ねらい
  新緑時季の英彦山において、登山・トレッキングをしながら、登山技術・知識を習得したり、英彦山の歴史や文化について学んだりして、山の楽しみ方の幅を広げ、運動習慣のきっかけづくりにするとともに、今後の体験活動に生かすことができるようにする。
期 日  平成28年5月28日(土)~29日(日)

参加者 76名

プログラム
第1日目【5月28日(土)】
 時  間 活 動 内 容 
18:00~18:30 出会いのつどい
19:00~20:30 「英彦山山開き前夜祭」参加

○ 英彦山地域の郷土芸能や伝統文化にふれ、英彦山への興味・関心を高める。
 ・まさかり舞い
 ・山伏問答
 ・交歓のつどい
(彦山踊り・彦山ガラガラ節・和太鼓・炭坑節)
22:30 就寝 


第2日目【5月29日(日)】
 時  間 活 動 内 容 
 6:30~ 7:30 起床、朝食
 8:30~12:00 新緑登山:雨天プログラム

・講話『英彦山の希少植物』→ 講師:植田 周平 氏
・講話『登山入門講座』    → 講師:竹本 正幸 氏
・活動『ロープワーク体験』 → 講師:園川 陽造 氏
講師:縄手 修  氏
講師:竹本 正幸 氏
 8:30~14:20 新緑トレッキング:Dコース 文化満喫コース

○ 英彦山周辺の施設などを散策することを通して、英彦山の自然を体感するとともに、心身のリフレッシュを図る。

・英彦山の歴史と文化満喫コース
  講師 松養 榮貞 氏

(花駅駐車場→雪舟庭園→宝篋印塔→松養坊→銅の鳥居→
幸駅→奉幣殿→修験道館→政所坊跡庭園→花駅駐車場)
※ 上記のプログラムについては、当日明け方までの雨天の影響により、安全面を考慮して、当初予定していた登山を中止にし、トレッキングの内容を一部変更して実施しました。 
14:40~15:10 別れのつどい


具体的な活動
【英彦山山開き前夜祭】
 1日目は、講堂で「出会いのつどい」を行った後、青年の家体育館で添田町主催「英彦山山開き前夜祭」が行われ、参加者は、「まさかり舞い」や「山伏問答」「和太鼓」「英彦山踊り・英彦山ガラガラ節」等を見学しました。最後は、参加者全員で炭坑節を踊り、活気のある前夜祭となりました。

↑出会いのつどいでの講師紹介 ↑前夜祭恒例の「まさかり舞い」
 ↑青年の家職員による「山伏問答」  ↑迫力のある和太鼓

参加者の声
和太鼓が非常によかったです。
とても面白く、感動しました。来年も参加したい。
観光協会や町長の添田町に対する思いが強く感じられました。 

【新緑登山:雨のプログラム】
  「新緑登山のコース」は、明け方の雨天の影響で、登山を中止し荒天プログラムに変更しました。
 荒天プログラムでは、講座『英彦山の希少植物』を添田町観光ガイドボランティアの植田周平先生に、講座『登山入門講座』は日本山岳会北九州支部事務局長の竹本正幸先生に御指導いただきました。その後、活動『ロープワーク体験』を日本体育協会公認 山岳マスター上級コーチの園川陽造先生、日本山岳会北九州支部の縄手修先生、竹本先生に御指導いただきました。
 『英彦山の希少植物』では、植田先生に英彦山の絶滅危惧の植物についての講話をしていただきました。参加者は熱心にメモを取ったり、希少植物の見頃などについて質問をしたりして英彦山の希少植物の生育について学ぶことの多い講座となりました。
 『登山入門講座』では、竹本先生に登山に必要な道具や歩き方など、登山の基礎的なことについての講話をしていただきました。登山経験の浅い方が多数参加されており、参加者は先生の話に熱心に耳を傾けていました。参加者からは「登山に必要な知識をもっと話を聞きたい。」という感想をいただきました。
↑植田先生の講座『英彦山の希少植物』 ↑竹本先生の講座『登山入門講座』

 その後の『ロープワーク体験』では、園川先生、縄手先生、竹本先生から生活の中で活用できるロープの使い方から険しい山を登る際に役に立つロープの結び方に至るまで教えていただきました。参加者は、何度もロープを結ぶ練習をしたり、わからないことを質問したりしていました。特に、講師の先生方に教えてもらったことをもとに、参加者同士教え合う姿がとても印象的でした。
園川先生、縄手先生、竹本先生による『ロープワーク体験』 

【新緑トレッキング:英彦山の歴史と文化満喫コース】
 『英彦山の歴史と文化満喫コース』では、明け方の雨天の影響で、コースを一部変更して実施しました。コースの案内を添田町観光ガイドボランティアの松養榮貞先生にしていただきました。
 まず松養坊では、当時の山伏の生活について説明していただきました。山伏が使っていた道具を間近に見ながらの説明で、参加者には当時の山伏の生活の様子が思い描けたのではないかと思います。他にも伊藤博文等が松養坊に訪れ寄贈した物なども見せていただきました。参加者は、松養坊が過去の人物と繋がりのある史跡だとわかりとても感動していました。
 次に宝篋(ほうきょう)印塔では、この塔が仏教と繋がりがあることを教えていただきました。明治時代神仏分離令により、塔の形が法令に触れるとし、壊される予定でした。しかし、人々の反対によって壊されることなく、塔の形を変えて、今日に残っていると説明をしていただきました。参加者は宝篋(ほうきょう)印塔の歴史の移り変わりや、この塔に対する人々の気持ちの強さに感心していました。その他の史跡でも松養先生にわかりやすく説明していただき、参加者にとても好評でした。
↑松養坊での施設案内 ↑宝篋(ほうきょう)印塔

参加者の声
 (新緑登山)
本などで得る知識より、実際に習ったほうがよくわかった。
習ったことを今後の生活に生かしていきたい。
もっと長い時間、先生のお話が聞きたかった。 
 (新緑トレッキング)
史跡などのガイドがとても良かった。 
英彦山の歴史について、たくさん学ぶことがあった。 

全体をとおして

 今年度の「英彦山新緑登山・新緑トレッキング」には、小学生から70代の方までの幅広い年齢層の参加がありました。
 1日目の添田町主催「英彦山山開き前夜祭」の参加をとおして、英彦山の歴史や文化に触れることができ、楽しいひと時を過ごしました。
 2日目は雨天により、登山の3コースは荒天プログラムとなり、参加者は進んでロープワーク体験活動に取り組むことができ、学ぶことが多い内容となりました。
 英彦山の歴史と文化満喫コースでは、雨が降る中、予定していたコースを変更しての実施となりましたが、英彦山と関わりの深い史跡を散策する中で、参加者は歴史と文化に触れることができました。 
 最後に参加者の方からは、「説明などわかりやすく、また参加したいと思った。」「いろいろ勉強になり、楽しい時間だった。」などの感想をいただきました。今回の主催事業は、雨天でプログラムが変更となったにもかかわらず、参加者が講話や体験活動を通して、これからの登山活動に生かすことができる内容となりました。そして、次回の主催事業「紅葉トレッキング」にもつながるものになったと思います。