活動【講話・演習】 |
前日までの雪が残り、当時の朝も、小雪が舞う天気のもと本事業を開催しました。出会いのつどい後、参加者が国の史跡指定された英彦山への関心を高め、安全にトレッキングできるように講話・演習を行いました。まず、添田町観光ガイドボランティアの植田周平先生から、今回のトレッキングで巡る史跡の概略について説明していただきました。次に、日本山岳会北九州支部の竹本正幸先生、縄手修先生から冬山の安全な歩き方について講話をしていただき、その後、素早く確実にアイゼンが装着できるように全員で演習を行いました。
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↑講師の先生方の紹介~出会いのつどい~
(左から竹本先生、縄手先生、植田先生) |
↑講師の指導のもと、アイゼン装着の
演習を行う参加者 |
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【奉幣殿西側トレッキング】
〈奉幣殿から五窟(いつつくつ)まで〉 |
スロープカーを使って花駅を出発し、奉幣殿まで移動しました。最初に、植田先生から奉幣殿についての説明を受けた後、最初の目的地である五窟を目指しました。今回は、山道の積雪量が少なかったため、アイゼンを使わずにトレッキングをスタートすることにしました。
最初に訪れた五窟は、4つの窟(門窟、龍窟、大行事窟、経窟)と1つの滝(円通の滝)からなる窟の総称です。植田先生からは、それぞれの窟について説明を聞きました。一番大きな大行事窟の中には、大きなつららがいくつも下がり、この時季ならではの光景を見ることができました。
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↑雪化粧した奉幣殿の説明を聞く参加者 |
↑つららができた大行事窟 |
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〈五窟から虚空蔵(こくぞう)窟まで〉
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五窟を後にし、昼食場所である虚空蔵窟に向かいました。途中、文殊窟の遥拝所や梵字が掘られた岩など、普段の登山道からは気付きにくい遺構についての解説を聞きながら進みました。参加者からは、「こんなところに梵字があって驚いた。」「説明を聞くまで気付かなかった。」などの声が聞かれました。虚空蔵窟に到着後、参加者は各々温かいものを食べたり、風景を見たりして昼食時間を楽しんでいました。
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↑足元を確認し慎重にトレッキングする
参加者 |
↑虚空蔵窟の説明を聞く参加者 |
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〈虚空蔵窟から峰(みね)の廟(びょう)・岩立(いわたて)窟・二戸(ふたつ)窟まで〉
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昼食後は、座(ざ)主(す)家代々の第15代以降の廟所(びょうしょ)である峰の廟を通り、岩立窟・二戸窟へと向かいました。この虚空蔵窟から峰の廟へのコースについては、傾斜が急なので、出発前にアイゼンの使用について検討しました。しかし、今回は、積雪量が少ない状況だったので、アイゼンを使用すると石や段差につまずき易く、かえって転倒する危険性があると判断し、アイゼンを使わずに下ることにしました。
峰の廟から岩立窟・二戸窟に向かう頃には、日が差してきました。参加者は、大きな自然石が立っている岩立窟やどくろのような形をした二戸窟という隣同士にある特徴の違う窟を興味深く見学していました。 |
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↑特徴ある二戸窟の入口を見入る参加者 |
↑途中見晴らしの良い尾根を通過しました |
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〈岩立窟・二戸窟から旧座主院跡まで 〉
トレッキングの最後に旧座主院跡を見学しました。ここは現在、九州大学農学部附属生物学実験施設がある場所なので普段立ち入りができない場所ですが、今回、九州大学農学部の許可を得て、見学させていただきました。そこには、立派な石垣や石段が残り、英彦山における座主の権力の大きさが感じられました。参加者の中には、英彦山にこのような場所があることを初めて知った方が多く、驚きの声を上げていました。 |
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↑雪の残る旧座主院跡の石段を下る参加者 |
↑参加者の皆さんでハイチーズ! |
参加者の声 |
冬山初体験の私には、楽しめ、勉強になることがたくさんあって、心身のリフレッシュや登山をするきっかけづくりになると思いました。
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普段の登山ではできない貴重な体験ができました。解説もとてもわかりやすく、英彦山の奥深さを知ることができました。ガイドの方も多くいらして、安心して歩くことができました。 |
このような窟めぐりの機会があれば参加したいです。 |
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