事業の報告 平成29年度
  英彦山新緑登山・新緑トレッキング
ねらい

〈英彦山新緑登山〉
新緑爽やかな英彦山での登山を通して、登山の知識・技術を習得させることで、安全な登山方法について理解を深め、今後の登山活動に資することができるようにする。

〈英彦山新緑トレッキング〉
国指定の英彦山の史跡を巡るトレッキングを通して、英彦山の「歴史や文化」を学ぶことで、トレッキングの楽しみ方を味わい、運動習慣のきっかけづくりを図る。

期 日   平成29年5月27日(土) ~ 28日(日)

参加者 70名(登山40名、トレッキング30名)

プログラム
第1日目【5月27日(土)】
 時  間  活 動 内 容
18:00~18:30 出会いのつどい
19:00~20:30 「英彦山山開き前夜祭」参加

○ 英彦山地域の郷土芸能や伝統文化にふれ、英彦山への興味・関心を高める。
 ・山伏問答・彦山踊り・彦山ガラガラ節
 ・交歓のつどい(山ガールファッションショー・炭坑節)
22:30 就寝

第2日目【5月28日(日)】
 時  間  活 動 内 容
6:30~7:30 起床、朝食
8:15~15:15 英彦山新緑登山
Aコース「南岳コース」
講師:日本体育協会公認山岳マスター上級コーチ 園川 陽造 氏
   日本山岳会北九州支部  縄手 修 氏
1 出発式
2 コース別登山
青年の家→奉幣殿→三呼峠→材木石→南岳→北西尾根→青年の家
Bコース「中岳コース」
講師:日本山岳会北九州支部事務局長  竹本 正幸 氏
1 出発式
2 講話:登山の心得
3 コース別登山
青年の家→バードコース→中岳→バードコース→青年の家  

英彦山新緑トレッキング
Cコース「英彦山史跡コース」
講師:添田町観光ガイドボランティア  植田 周平 氏 
1 出発式
2 花工房P→奉幣殿→虚空蔵窟→玉屋神社→文殊窟→峰の廟→花見ヶ岩→花工房P
Dコース「英彦山の歴史・文化満喫コース」
講師:添田町観光ガイドボランティア  松養 榮貞 氏
  1 出発式
2 花工房P→花見ヶ岩→雪舟庭園→宝篋印塔→松養坊→財蔵坊→銅鳥居→(スロープー)→奉幣殿→修験道会館→花工房P
14:30~15:30 別れのつどい

具体的な活動
 
 【英彦山山開き前夜祭】
 
 1日目は、講堂で「出会いのつどい」を行った後、参加者のみなさんは、青年の家グラウンドへ移動し、添田町主催の「英彦山山開き前夜祭」に参加しました。昨年、一昨年と2年連続で降雨のため、体育館での開催となっていましたが、今年は屋外で実施することができました。参加者は、青年の家職員等が行った「山伏問答」、英彦山婦人会保存会が行った「英彦山踊り・英彦山ガラガラ節」、プロの三味線奏者が行った「津軽三味線」を見学しました。今年は、さらに、「山ガールファッションショー」が開催されました。最後は、参加者全員で毎年恒例となっている炭坑節を踊りました。

出会いのつどい「講師自己紹介の様子」 山伏問答をする様子

 【英彦山新緑登山】
   2日目は、いよいよ登山当日です。この日は朝から陽が射し、絶好の登山日和となりました。

(A 南岳コース)
 今回、上級者向けに南岳から中岳へと向かうコースを設定しました。このコースは距離が長く、勾配も急でしたが、参加された方々は、途中の景色を楽しみながら山を登っていきました。講師の園川先生や縄手先生からは、休憩時間を中心に登山技術に関するお話を聞くことができました。山に慣れている皆さんも興味深く先生方のお話に耳を傾けていました。 
講師の説明を聞く参加者 元気よく山頂を目指す参加者のみなさん
中岳山頂にて集合写真(Aコース)
〈A 南岳コース参加者の声〉
・新緑登山は、初めての参加でした。新緑が素晴らしく、講師の説明も楽しく充実した山歩きでした。
・ペースもゆっくりだったので、十分楽しい登山ができました。
・ぜひ、秋の登山事業にも参加したいです。
 


(B 中岳コース)
 今回、初級者向けにバードラインを通り、中岳山頂を目指すコースを設定しました。登山経験が少ない方が対象でしたので、出発前に、登山の心得(服装、食事の摂り方、持ち物など)について講師の竹本先生より講話をしていただきました。登山中も竹本先生からは様々なアドバイスをいただきながら、山頂を目指しました。山頂到着後は、上宮で行われていた山開き山頂祭に参加することができました。
講話(登山の心得)の様子

講師に質問する参加者

 
 中岳山頂にて集合写真(Bコース)
〈B 中岳コース参加者の声〉
・とても楽しかったです。竹本先生のお話も大変良かったです。
・初めて参加しましたが、次回からは別コースを順次参加したいと思います。
・天候にも恵まれて、いい空気を吸ってリフレッシュできました。

【英彦山新緑トレッキング】

(C 史跡コース)
 今回、国指定史跡となった英彦山に点在する修行窟を中心に巡るコースを設定しました。英彦山系に49ヵ所ある修行窟の第一窟である般若窟(玉屋神社)に向けて出発しました。途中、英彦山神宮奉幣殿や虚空蔵窟等を見学しました。講師の植田先生からは、史跡の説明だけでなく、登山道周辺でみられる希少な植物(ナンゴクウラシマソウなど)についても説明していただきました。玉屋神社での昼食後、文殊窟や登山道の脇にある山伏の坊跡などを見学しました。参加者からは、「運動量も多く、目的を持ったトレッキングは良かったです。」といった感想が聞かれ、修行窟を巡るテーマの中で、トレッキングする楽しさを知ってもらうことができました。
史跡について説明を聞く参加者 修験道館前で講師の説明を聞く参加者
玉屋神社にて集合写真(Cコース)
〈C 史跡コース参加者の声〉
・様々な史跡を巡り、英彦山の歴史に触れることができて良かったです。天気も良く、自然の中で気持ちをリフレッシュすることができました。
・先生の説明が分かりやすく大変よかったです。他のコースにもチャレンジしてみたいと思います。
 
(D 歴史・文化満喫コース)
 今回、英彦山神宮奉幣殿周辺に点在する山伏関連の文化財を中心に巡るコースを設定しました。講師の松養先生からは、山伏が暮らした坊の造りや山伏の生活の様子など、資料を示しながら詳しく説明していただきました。参加者からは「今まで、行ったことがなかった場所にも行くことができて良かったです。」「英彦山の歴史が深いことが分かりました。」などの感想があり、英彦山の魅力を感じながらトレッキングを行う姿が見られました。
花見ヶ岩で講師の説明を聞く参加者 松養坊で山伏の生活について聞く参加者
奉幣殿にて集合写真(Dコース)
〈D歴史・文化満喫コース参加者の声〉
・大変参考になりました。山伏、修験道のことも詳しくガイドして頂きありがとうございました。
・健康的な一日であり、歴史や文化を詳しく説明していただいたので、よく分かりました。


全体をとおして
 本年度は、素晴らしい天気の中、事業を実施することができました。
 新緑登山では、登山の知識・技術を習得し、安全な登山方法について理解を深め、今後の登山活動につなげるというねらいをもって実施しました。参加者からは、「登山中の講師の話は、大変勉強になったと思います。」「講師の説明も楽しく充実した登山でした。」「登山を始めたいと思い参加しました。よいきっかけとなり、これから登山を楽しみたいです。」などの感想が聞かれ、参加者のみなさんの登山活動の促進につながったのではないかと考えます。
 新緑トレッキングでは、トレッキングを通して英彦山の「歴史や文化」を学ぶことで、トレッキングの楽しみ方を味わい、運動習慣のきっかけづくりを図ることをねらいとして実施しました。参加者からは、「楽しく学べる一日になりました。」「日頃歩いていないので、少し足が痛くなりました。これを機会に、明日から少しずつ歩くようにしようと思います。」などの感想が聞かれ、トレッキングを楽しむことで、運動習慣のきっかけづくりにつながったものと考えます。
 秋の登山・トレッキング事業にも参加したいという声もたくさん聞かれました。今後も参加者の声を参考に、コースや内容を充実させた登山・トレッキング事業を行いたいと思います。