参加者 |
30名 |
事業内容 |
自然豊かな英彦山のフィールドを舞台に、自然体験や野外活動等を通して、自然に親しむ心情を育てるとともに、主体的に考え仲間と協力して活動できる子どもの育成をめざして、今回のキャンプを企画し、開催しました。 |
■1日目(8月7日)〜出会いの日〜
班のメンバーとの出会い。ほとんどが初めて出会う者同士でしたが、昨年度の参加者もおり、再会を喜び合う姿もあり、緊張と喜びのスタートとなりました。 自己紹介やテント設営をとおして、緊張も徐々にほぐれ、班のメンバーやリーダーとの交流が進みました。その後、主な研修場所となるピザ釜場に移動し、5日間通して使うマイ箸づくりをしました。 |
|
↑ドキドキの自己紹介 ↑協力してのテント設営 ↑マイ箸作り |
5日間自炊をするために使用するマイ箸作り、かまど作り、調理に使う薪拾いをしました。各班とも作業を効率よく進め、それぞれ工夫されたかまどがつくられました。その後、ジャガイモやにんじん、卵、ベーコンなど5日分の食材を目の前にして、今後の献立を班ごとに話し合いました。子ども達は、5日間の食事をどんなメニューにするか頭を悩ませながらも様々なアイデアを出していました。 |
|
↑5日間の食事の話し合い ↑協力しての薪拾い ↑知恵を出し合いながらのかまど作り |
献立作りが終わると、調理に入りました。どの班も上手に火をおこし、ベーコンとジャガイモの炒め物や赤貝の炊き込みご飯など、それぞれ工夫を凝らして料理を作りました。他の班がどのような料理を作っているのかをお互いに見合い、次の日から作る献立の参考にする班もありました。 |
|
↑仕事を分担しての調理 ↑かまど2つを使っての調理 ↑ベーコンとジャガイモの炒め物 |
|
■2日目(8月8日)〜基地(すみか)作りの日〜
まず、いろいろなロープの結び方を練習し、基地作りに生かせるようにしました。そして、班毎に基地を作る場所決めをし、基地作りに取りかかりました。 |
|
↑ロープワーク ↑グループ毎に場所選び ↑林の中での基地作り |
杉林と竹を利用するグループや竹を利用してやぐらを組んで作るグループなど、英彦山青年の家周辺の自然や準備しておいた竹やかや、ビニールシートをうまく利用して、どの班も基地作りを行いました。班の中でどんな基地を作るのか、どうやったらうまくいくのか試行錯誤を繰り返しながら基地作りが進みました。 |
|
↑協力しての竹切り ↑杉林を利用した基地作り ↑洗濯ひもを使った基地作り ↑やぐらへのシートかけ |
基地作りが終わると、できあがった基地に入って休憩したり昼寝をしたり、完成をみんなで喜び合ったりする班があり、完成したときの子ども達の喜びは大きなものがありました。しかし残念ながら、この日の夜は風がとても強かったため、基地で就寝することをどの班も中止しました。 |
|
↑できあがった基地で休憩 ↑みんなでお昼寝R基地が完成し、喜びを体で表現する子ども達 ↑雨風対策が考えられていた基地 |
|
■3日目(8月9日)〜命を感じる日〜
この日は、みやこ町にある蛇淵キャンプ場へ移動し活動しました。 子ども達はライフジャケットを身につけ、蛇淵の滝の上から、鈴尾の滝を目指し、沢登りを体験しました。途中のロープを使って登らなければならないような大きな沢登りでは、ロープが緩まないように引っ張るのを手伝ったり滑り落ちそうな仲間を下から押したりして、みんなで協力して登ろうという雰囲気が生まれました。 鈴尾の滝では滝の上から滝壺に飛び込んで遊んだり、滝壺で泳いで遊んだりしてたのしみました。 |
|
↑上流目指して出発 ↑みんなで協力しての沢登り ↑3滝の上からジャンプ ↑滝壺での遊泳 |
滝壺で活動した後は、ヤマメの掴み捕りを行いました。ヤマメをなかなか捕まえることができず、身につけていたヘルメットを網代わりに捕まえようとする子や2人で協力して捕まえようとする子もいて、楽しみながらヤマメの掴み捕りを行いました。そして昼食に、獲ったヤマメを焼いて食べたりそうめん流しをしたりしました。また、川で冷やしておいたトマトの丸かじりも体験しました。 |
|
↑獲ったヤマメ焼き ↑そうめん流し ↑トマトの丸かじり |
青年の家に戻り、子ども達は、体育館の2階から鶏が命を絶たれるところを見学しました。参加者達は真剣に鶏の命が終わるところや鶏がさばかれ鶏肉へと変わっていく様子を見届けました。中には自分の手で鶏をさばく参加者もおり、私たちが様々な命をいただいて生きているということを実感することができました。 |
|
↑真剣なまなざしの子ども達 ↑さばかれる鶏を見つめる子ども達 ↑鶏肉となった鶏 |
夜は、竹飯を作り、さばいた鶏をバーベキューにして食べました。参加者達は、心をこめて「いただきます」「ごちそうさま」を言うことの大切さに気づかされ、「命をいただく」ことの意味を十分かみしめていました。この日の夕食は、残さずすべてを食べました。 |
|
↑竹飯の準備 ↑できあがったほくほくの竹ご飯 ↑おいしいバーベキュー |
|
■4日目(8月10日)〜自然に感動する日〜
前日の雨の影響で、この日予定していた早朝登山をフォトラリーに変更して活動を行いました。この活動には、ボランティアスタッフがつかず、参加者だけが協力して写真を頼りに英彦山地域を巡りました。頼れるスタッフがいなかったため、途中とても不安な場面もあったらしく、スタッフに出会ったときに、遠くから「リーダー!」と大声で叫びながら元気よく走り寄ってくる姿が見られました。 |
|
↑表参道の長い階段 ↑やっと正しい道に出られたぞ ↑遠くから大きな声で「リーダー!」 |
フォトラリー終了後、参加者達はドラム缶風呂の準備を行いました。怪我のないようにドラム缶を運んだり、バケツにお湯を入れて運んだりとお互いに声を掛け合って協力して行いました。ドラム缶の設置が終わった後は、お風呂に入ることが待ち遠しいようでドラム缶の中をのぞき込んでみたり指を突っ込んでみたりする人が多くいました。 |
|
↑ドラム缶風呂の準備 ↑みんなで力を合わせて ↑ちょっと入ってみよう |
最後の夕食後、いよいよ待ちに待ったドラム缶風呂でした。満天の星空の下での入浴とはなりませんでしたが、どの参加者も気持ちよさそうにドラム缶風呂に入っていました。ドラム缶風呂の後は、キャンドルのつどいを行いました。4日間お世話になったかまどの火やスタッフのみんなに感謝の気持ちを持ったり、キャンプのこれまでをふり返ったりしました。キャンドルを囲んでのふり返りは、幻想的な雰囲気に包まれました。 |
|
↑ドラム缶風呂気持ちいー |
↑ふたりでいっしょに |
↑お世話になったかまどの火を |
↑キャンドルを囲んでのふりかえり
中央のキャンドルへ |
|
|
|
|
■5日目(8月11日)〜別れの日〜
最終日は、今までお世話になったかまどや調理場として利用したピザ窯場、テントや基地の片付けを行いました。どの班も仕事を分担し、効率よく片付けを行いました。また、参加者のみんなも自分に任された仕事は責任持って行ったため、予定よりも早く活動を終了することができました。
片付け終了後は、5日間をふり返りまとめをしていきました。参加者にとっては充実した5日間になったようでした。 |
|
↑5日間どんなことをしたかな ↑5日間のふりかえり ↑ふりかえりの交流 |
|
|
参加者の声 |
4泊5日で優しさや時には怒ることの大切さを学びました。また、仲間との絆や協力していくことの難しさや楽しさなども学べました。命の大切さもここで学べたので今後の生活にも活かしていきたいと思います。
|
鶏や魚や虫の命の大切さを学びました。ぼくも魚や虫を殺さないようにしていきたいです。鶏の首がしまっていったとき、とてもかわいそうでした。とても鶏に感謝しています。
|
野外調理では、火をおこしたりうちわで火をあおいだりすることが大変でした。ガスコンロがなかったら、料理を作ることがこんなに大変なんだと思いました。
|
ドラム缶風呂が最高でした。
|
ぼくが少し成長したなと思うところは、少し積極的になったところです。ご飯を作るとき、1日目は薪拾いしかしなかったけど、2日目からは、火おこしもするようになったからです。
|
この5日間で一番学んだのは、命の大切さです。3日目のヤマメのつかみ取りで初めて命の大切さを学びました。ヤマメも僕たちが食べようとしなければ死なずにすんだのに。ぼくは少ししか食べられなかったので、鶏は残さず全部食べようと思いました。これから鶏やヤマメなど命あるものすべてを大事にしていきたいし、食べるときは、必ず「いただきます」を忘れずに言いたいです。
|
沢遊びで、滝の上から飛び込んだのが楽しかったです。最初はすごく高くて怖かったけど、ダイブした後はとても気持ちよかったです。 ・フォトラリーの時は、スタッフがつかずちょっと不安だったけど、みんなで協力し問題を解きながら最後の力を振り絞ってやっとゴールしました。この時みんなで喜びを分かち合いました。
|
2日目の基地作りでは、最初はできなかったけど最後にみんなで力を合わせたらあっという間に作れました。
|
僕がこのキャンプで学んだことはいっぱいあるけれど、その中で一番大切だと思ったことは協力です。
|
家に帰ってから自分から進んで行動することをがんばりたい。
|
全体をとおして |
今年度の「ひこさんチャレンジキャンプ」は、調理をするためのかまどを作ったり必要な薪を拾ったり、寝るためのテントや基地を作ったりと生活に必要な食・住を自分たちの手で工夫して準備するといった体験活動を中心に行いました。悪天候によってせっかく作った基地で就寝することはできませんでしたが、子ども達は、充実した毎日を送ることができました。様々な活動をとおして、協力して活動することの大切さや難しさ、仲間のありがたさなどを実感することができたようでした。 「せっかく昨日、命の大切さを勉強したのにもうこれ以上食べられません。残ったこれは、スタッフの皆さんで食べてください。」と一人の男の子が、涙を流しながらローストチキンの残りを持ってきました。前日の鶏をさばく活動をとおして命の重みを実感したからこそ出てきた一言だったと思います。このキャンプでは昨年度同様、一日の振り返りを班毎に行い、その日の活動を振り返る時間を設けました。このときにその日の活動について感じたことを交流することによって自分の内面を見つめたり他者の意見を通して自分を見つめさせたりすることができたのではないかと思います。また、スタッフと一日ごとのねらいや活動内容を確認して活動を行えた結果、前述のような一言があったのではないかと思います。 今後もこのキャンプをとおして、感じ考え学んだことを今後の生活に生かしてもらえたらうれしいと思います。 |